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私の地球(ほし)がきえちゃった  作者: よむよみ
第一章

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第九話 考古学者の悟り

論文の影響はひどい結果だった。

「1000年以上前の人たちに未来がわかるわけがない」「改竄だ」「嘘つきだ」―― そんな言葉を浴び続けた。

それでも、ある富豪の目に留まり、実際にドラゴンの卵を探すことになった。


古文書に記された場所は、長年放置され、木々で覆われており、洞窟の入り口は見つからなかった。

最新技術による調査で、地下に空洞があることが判明する。

洞窟への入り口の捜索は中断され、空洞まで直接掘り進めることになった。

空洞につながるとほぼ同時に、それらしき卵も見つかった。


古文書に記された卵が存在するとの報告を受けた権力者たちは、卵に恐れを抱き、こぞって破壊を命じた。

軍隊に兵器を持たせ、現地へと向かわせた。

私は軍隊に同行させてもらうことにした。

歴史家として最後まで見届けるために。


地中深く、静寂に包まれた広大な空洞。

ところどころ、マグマが赤く光り、闇をそっと照らしている。

空洞の中央付近に、ぽつんと置かれた卵。直径はおよそ50センチ。

卵からは根のようなものが伸び、地面にしっかりと絡みついている。

――古文書に記されていた通りの光景だった。


洞窟への損傷を恐れ、まずは弱い兵器から試された。

まったく傷がつかないことが確認されると徐々に強い兵器が投入されていった。


最後に最新兵器による攻撃が試された。卵にひびが入り、一瞬歓声が上がる――が、時間切れだったようだ。


やがて、卵の表面に細かなひびが入り、殻が静かに割れはじめる。

中から現れたのは、小さなドラゴン。


「まずい。やつを止めろ!」指揮官の叫びに、兵士たちは、一斉に拳銃を構え撃ちはじめる。

ものすごい轟音がするも、まったく効果はない。


その幼い姿にはどこか愛らしさがあり、目はまだ閉じられている。

体を伸ばしたり、ねじったり、ぎこちなく動かしている。

やがて動きが落ち着き、そっと目を開く。紅い瞳が、微かに光る。

――古文書に記されていた事が、次々と現実になっていく。


小さいドラゴンは目に映るものには興味がない様子で、かわいらしく欠伸をひとつ。


私は、文明の敗北と人類の運命、そして自らの使命に思いを巡らせた。


私は銃を撃つのをやめ、両手をつなぎ、祈り始める。

「神様、この惨状を――現存するあらゆる兵器を用いても、傷一つ付けられなかったことを、後世にお伝えください。」


小さいドラゴンは姿勢を正し背筋を伸ばすと、体全体が淡く光を放ち始める。


最期の瞬間、光の中にうっすらと女神のような立ち姿が見えた。

両手を胸の前で祈るように握り、顔を伏せている。頬には、涙のようなものが見えた。

「わかりました。ありがとう。そしてごめんなさい。」


その瞬間、マイケルは悟った。この世界は確かに繰り返している。自分たちは――役目を終えたのだ。


そして――次の瞬間、地球は消滅した。

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