予定もないですがお嫁にいけません
完全に、のぼせてしまいました……
お風呂から出た後、先にエドルドが着替え、再度目隠しをした後アリシアを手伝う。
椅子に座っていた状態から抱えた時とは違い、アリシアの位置を確認する手段がなく、直接身体に触れられながら抱えられる。あまりのドキドキに、一気にお湯がまわってしまった。身体をふいた後、部屋に戻してもらった。
なんとか着替えを済ませなければ……とりあえず下着の上からドレスは着れた……が、背中のボタンに手が回らない……ダメですわ……いつもなら簡単に出来ますのに……
侍女もいたわけではなかったので、1人着替えは手慣れたものだった。
少し休まないと無理ですわね。
「大丈夫か?」
「一応……なんとか」
アリシアの返事を確認すると、エドルドが部屋に入ってきた。布団をかけ、ベッドで休む。
のぼせた顔に、髪がまだ濡れていることに気付いたエドルドは、ベッドに座った。
「っ!?」
「水だ……飲めるか?」
少しだけ身体を起こし、飲むのを手伝ってもらう。優しく髪をふき、温かい風できれいに乾かしてくれた。
暖かい魔法ですわ。こんな繊細な魔法も使われるんですのね。
目を閉じ、ついウトウトしてしまう。
「…………」
「アリシア嬢?」
温まった身体のおかげか、そのまま眠りに落ちていった。
「っ!?」
あのあと、どうやら眠ってしまっていたようだ。
私……一緒にお風呂に入ったんですわ……もう……お嫁にはいけません……予定もございませんが。
冷静になり、羞恥心にさいなまれる。
「起きたか?」
エドルドがパンとスープを持ってきてくれた。
「少しだが……食べれるか?」
「あっ……ありがとうございます。でもエドルド様は?」
「先に食べた」
「そうですか……」
お言葉に甘え、少しお行儀は悪いがそのままベッドでいただく。
その間、なぜかエドルドは部屋にいたままで、じっとこちらを見つめている。
「?」
「……足の調子はどうだ?」
そう言われ、そっと動かしてみる。まだ、違和感はあるものの、少しだけなら動かせそうだ。
これで、片足で歩かなくてすみますわ。
やはり温めてほぐしたのが良かったのだろう。先ほどよりも痒みはひき、血が通ったおかげで血色も良くなっていた。
「そうか……それと……」
「なんですか?」
「……別に触るつもりはなかったのだが……」
「……?」
「髪をかわしていたら、そのまま寝てしまっただろう?」
「あっ……ありがとうございました……いえ、すみませんでしたの方が正しいですよね」
「……いや、いい……その時に、背中が開いていることに気づいて……風邪を引いたら困ると思ってだな……」
エダルドに言われ、手が回らなかった服がきちんと着れていることに気づいた。
「〜〜っ!?」
「すっすまない! あのままだと寒いだろう?……それでっ、だ」
「いえ……すみませんでした」
「いやっ、むしろ……こちらがありがとうだと……なんでもない……なんというか……アリシア嬢、僕は……」
「……何をされてらっしゃるのですか?」
窓から聞こえる声の持ち主は
「ミオラちゃんっ!?」
ひどく疲れた顔をしたミオラがいた。




