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日常じゃなくなる日

佳都けいとの押しもあって2人は付き合い始めた。

多分、時間の問題だった。結愛ゆあも最初は戸惑っただけで彼のことは好きだったから。

その後、2人は2年付き合ったあと結婚した。

結婚後も仲良く過ごし、あっという間に時間が経っていった。


今日も2人で笑って1日が終わると思っていた。

2024年4月20日、3年目の結婚記念日。

毎年訪れる海に車で来ていた。

ここは彼が3年前プロポーズした場所だった。

どこまでも続く広い海を見ながら、


「もう3年だね、早いね。」


と彼女は穏やかに言った。


「これからもよろしくね。」

「うん。」


と言って彼女は笑って返事した。

手を繋いで何気ない日常の会話をしているだけで幸せだった。

このあとはごはんを食べに行って夜は家でゆっくりする予定だ。


「そろそろお腹すいたし、行こうか。」


彼がそう言うと車まで戻り、食事するお店までまたドライブだ。

車からも海が見える道路を走っていた。ドライブするのにピッタリだった。

数十km進んだ先で、突然彼女が


「苦しい、助けて、佳都…..」


それを見た彼は急いで路肩に車を止め、すぐに救急車を呼んだ。


「結愛!大丈夫、大丈夫だから。」


彼女の手を握りながら息をしているか確認した。

彼女が苦しそうにしているのに何もできない。何と無力なんだろうと彼は思った。

その後、救急車が来て病院に運ばれたが彼女は亡くなった。

彼女が治療を受けている間に彼女の母が到着していた。亡くなったと聞いて彼女の母は泣き崩れる。

彼はただ治療室の前で立ち尽くすしかなかった。

彼は責任感が強すぎた。

自分が大事にする、守ると言ったのにできなかった。

彼女の死は誰も見抜けなかった。前兆もなく突然だった。でも自分のせいだと自分を責めた。

彼女の母には、

「すいません、僕のせいで..」

と何回も言い続けた。

彼女の母はそれを見ているのが辛かった。

「結愛を誰よりも愛してくれたのは知ってるから、あなたのせいじゃないでしょ。」

そう言われた瞬間、彼は泣かずには言られなかった。


ここはどこだろう。

白い壁に白い床。

全部真っ白だ。

苦しかったはずなのに今は息ができている?

とりあえず生きていたなら良かった。

もう少し眠ろう。

どこか分からない場所で目を覚ました彼女は、また眠りについた。

再び目を覚ました彼女は、不思議な光景に驚く。

「ここって…」

見覚えのある部屋。でもおかしい。今はここに住んではいない。日付も確認すると、

「2019年4月1日!入社式の日?なんで?」

5年前に戻っていた。

彼に会えると思い、急いで彼女は準備を始めた。

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