手紙を読む立咲さん
休み時間
「なぁなぁ」
「ん?」
「玲央って結構立咲さんと仲良いよな?」
珍しく立咲さんが隣にいない為か生忠が立咲さんの話題を出す
「そうか?まったく話さないってわけじゃないけど」
「いや、誰がなんと言おうと仲がいい」
「あ、そうなんだな」
「てことで、実際の所立咲さんのこと好きなのか?」
「いや、別に好きじゃないけど」
「、、、嘘だろ、お前本当に男かよ」
「心も体も男だよ」
「いやあそこまで言われて期待しねぇのかよ」
「期待?」
「立咲さんに好かれているんじゃねぇかって!」
「いや、無いだろ」
「わからんぞ、意外に玲央はモテてるしな」
「えっ⁉︎俺モテてんの⁉︎やったー」
意外な事実(そう思いたい)に喜ぶ
「、、、なぜだろう、この男がモテる理由がわかった気がする」
「ん?イケメンってことか?照れるなぁ」
「やめろ照れるなクソイケメン」
話す二人の後ろの方で少女が一人口を噛む
授業中
(眠いなぁ、ん?なんか回ってきた)
前の席の駒橋から小さな手紙が回ってきた
「これ立咲さんに渡して」
小さな声で頼まれる
(こ、これが青春ってやつか!)
そっと立咲さんの机に手紙を置く
立咲さんはその手紙を見つめたあと俺を少し見て
開けていいの?
と俺のノートに書く
それに俺も
うん
と返す
立咲さんは手紙の中を見て、顔を赤くしてから俺のノートに
うるさい
と書いた
(うるさい?何がだ?)
「なぁ、立咲さんに渡せた?」
「あ、うん」
「なんて帰ってきた?」
「あ、えっと、うるさいって」
「やっぱりダメか、ガードが硬い
渡してくれてありがとな」
それだけ言うとすぐ前を向いてしまった
(手紙なんて書いてあったんだろ、あとで立咲さんに聞こっかな)
休み時間
「立咲さん、さっきの」
「ちょっと来てくれます?」
立咲さんに話しかけると立咲さんにさえぎられてしまう
(怒ってる?)
空き教室
「立咲さん、なんか怒ってます?」
「怒るに決まってるでしょ?」
立咲さんは口を膨らませながら腕を組み椅子に座って横目で俺を見る
「え、えと、なんでですかね」
「なんでって、手紙に、、、」
立咲さんの顔がさらに赤くなる
「手紙に?」
「、、、手紙で、かわいいねって伝えてきたからよ」
声がだんだん小さくなる
「えっ?それはちが」
「私を揶揄ってるの?いい度胸ね!」
「だから違うって!」
「何が違うのよ!」
「その手紙、俺じゃなくて駒橋が書いたやつなんだよ」
「え」
「誤解させてごめん」
「そうだったのね、私こそごめんなさい」
、、、
気まずい雰囲気が流れる
「、、、教室戻るわよ」
「あ、俺は飲み物買ってから行く」
「好きにすれば」
(相変わらず立咲さんは冷たい)