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地上にでよう!

「俺も男だ。一度口に出したことは貫こう!」


「あと新武器の研究もして欲しいな。爆発のエネルギーで金属の球を飛ばすっていうしくみなんだけど......」


 俺はうろ覚えの銃の仕組みをドワフに伝える。

 これからの仕事量を憂いていたドワフだったが、今までに聞いたことのない機構の武器の説明を興味津々にきいたあと、


「くー。そそるねぇ。それで魔力適性がないやつも遠距離攻撃ができるってわけか。燃えてきたぜ!」


 と目を爛々に輝かせて、工房になにかブツブツ呟きながら向かった。


 「武器の重さの確認とかはオー君を好きに使っていいから」


 その言葉に軽く手を振って応えると、完全に自分の世界に入った。

 どうやらこちらはもう眼中にないらしい。


 さて、ダンジョンの防衛もできるところまでやったしもうすることがない。

 スマホで時刻を確認すると、どうやら残りの準備期間はちょうど24時間のようだ。


 一段落して気づくは空腹。今まではあまりの忙しさに忘れていたが、二日間断食していたのだから当然だ。

 二日間断食したにしては空腹や乾きはひどくないが、種族の差だろう。

 俺は地上に食料を買いに行くことにした。


 配下には留守を命じ、一人で地上に出る。


 地上に出て、まず目に入ったのは寂れた町並み。

 以前の活気のある大都会前橋の面影消え失せ、まるで鳥取県のように人がいない。

 不思議に思ったが特に問題はなかったので近くのコンビニを目指して歩く。


 その間もやたらシャッターのしまった店が並び、違和感が凄い。


 コンビニについて入店すると、ほとんどの商品が売り切れていた。

 

 レジの店員に尋ねると、答えが返ってきた。


「県境に透明な壁ができたせいで、物資が何も入ってこないんですよね」


 今までの疑問が氷解する。

 どうやらいつ透明な壁がなくなるのかわからないので、家にこもってエネルギーの消費を抑えるように政府が推奨しているらしい。


 俺はこのあと何件か店を回ってやっと少しの食料と、水、酒。あとは兵器や武器の図鑑を手に入れることができた。

 

 それを手土産にダンジョンに帰る。

 寂れた前橋の町並みが、今までの異常な事態を楽しんでいた自分に酷く刺さった。

コメよろ!

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