鉄を手に入れよう!
「旦那! 正気ですかい!」
うむ、ドワ君曰く、俺のネーミングセンスは壊滅的らしい。
「じゃあドワ君は自分になんてつけるんだ?」
「ドワ君やめい。そーだな.....ドワフっていうのはどうだ?」
俺のものと対して変わらないような気がするが、ヤマ君の頷き用を見るとそうではないのだろう。
「じゃあ、ドワフ! これから宜しく!」
「おうよ!」
「ヤマ君とオー君はこのままでいい?」
念の為聞いておく。
「私は構いません」
「ダイジョウブ」
うんうん。ドワフがとてつもなく引いているが、気の所為だろう。
「よーし、とりあえず一通りダンジョンの機能を確認できたな。みんなでこれからの方針を考えようか」
「承知しました」
「おう」
「ワカッタ」
まずはさっき召喚さっれたばかりのドワフにヤマ君から現状を説明してもらい、
「俺は群馬県を日本にしたい!」
と、大目標を語った。
「そうだ! 夢はでっかくねえとな!」
反応は上々。夢に共感してくれる仲間のなんとありがたいことか。
「まずはこのダンジョンの防備を完璧にして、その後に他県に侵攻する」
「いいじゃねえか! 武器の用意は任せろ!」
武器の存在を忘れていた。たしかに、オークに生身で突撃させるわけにはいかないな。
「じゃあ何か素材が必要だな。金属ってどうやって手に入れたらいいんだ? 地上のビルを解体して使うのか?」
武器を作ろうにも素材がない。さすがのドワーフも0から武器を生み出せないだろう。
「ご主人! 魔力は支配領域内の人間の数に比例して供給されます。あまり人間の不興を買うようなことは控えるべきかと」
たしかにそうだ。ではどうする?
「そこで、アイアンゴーレムを召喚して素材として利用しましょう」
早速行動しよう。アイアンゴーレムの項目を開く。
アイアン・ゴーレム
鉄で出来た巨大なゴーレム。身長は5~6メートルある。
思考力は持たず、命令に忠実に従う。
身体能力A 知能G 魔力G 創造コスト20
召喚すると、部屋にギリギリ入る大きさの鉄の塊が出現した。
「活動を停止しろとご命令ください」
ヤマドリの言う通りにアイアンゴーレムに命令すると、目の辺りにあった光が消えた。
大量の鉄だ。
ドワフの目が爛々と輝く。
「かー、腕がなるねぇ!」
ドワフはその膂力で鉄の塊を引きちぎり、急ごしらえだが工具を整え始めた。
完全に自分の世界に入っていて声をかけても反応しないので、俺はダンジョンの防衛体制を強化することにした。
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