側近をつくろう!
「ご主人! 早く地上の空気を取り入れましょう!」
「どど、どうすればいい!?このダンジョンってとこ押したらいいの?」
唐突なハプニングに現場は混沌としていた。
「そうです! その入口ってとこ押してください!」
俺はこの悪臭から逃れたい一心で急いで、タップした。
入り口
ダンジョンの入口
建造コスト5
タップした瞬間に前方の壁に縦横3mずつくらいの穴が空き、短い坂道が現れた。
その先から太陽の光が指しており、地上とダンジョンがつながったことを実感できた。
「ふー、なんとか匂いもマシになったな」
一段落ついた俺は、落ち着いてオークを観察する。
筋肉質な巨体に、豚の頭がそのままついたような見た目をしており、だいぶ怖い。
「なんか喋ってみてよ」
「オデ、メイレイ、シタガウ」
ある程度なら人語も理解できるようだ。
知能の次は肉体能力だ。
「ヤマドリ! ちょっと羽根を落として」
「承知しました!」
俺がそう言った瞬間、以前と同じように上から羽根を一枚落とす。
「オーク、ちょっと思いっきり羽根をパンチしてみて」
バシュンッッッ!!
羽根は消し炭になっていないが、拳が触れた部分は消えている。
うん、なかなかの身体能力だ。オークを中心に戦力を増強していくのもありかもしれない。
なんて考えていると、
「せっかく召喚されたのですし、名付けを行われてはどうでしょう」
とヤマドリが提案してくる。
確かにずっとオークと呼ぶのは、これから数が増えていくことを考えると問題があるように思う。それに、このオークは俺が初めて召喚したモンスターだ。匂いはひどいが、愛着が湧いている。
「そうだな。うーん、どうしようか」
「ついでに私めにも名前をくだされば幸いです」
言われてはっと気づく。俺はずっとこいつのことをヤマドリとよんでいたが、これは友達を人間と呼ぶようなものなのかもしれない。
「じゃあ、ヤマドリ、君の名前はヤマで」
「ありがとうございます」
ヤマドリに詳しいわけではないのでよくわからないのだが、体を小刻みに震わせているのできっと気に入ったのだろう。
「オーク、お前の名前はオー君だ」
「カンシャ」
うん。名前をつけるのが楽しくなってきたぞ。
新しく名前をつけたいから、もう一体何か召喚しよう。
「大量のオークを束ねるために、指揮官みたいな知能が高いモンスターが欲しいな」
「知能が高いとなると、亜人族ではエルフや人狼、吸血鬼やドワーフでしょうか」
なるほど。とりあえず一つずつ確認していこう。
エルフ
美しく若々しい外見を持つ。基本的に金髪蒼眼で肌が白い。女性は貧乳。弓や魔法の扱いにたけている。
身体能力E 知能A 魔力A 創造コスト150
人狼
半狼半人の姿をしている。性格は獰猛で、高い俊敏性と鋭い爪で獲物を翻弄する。
身体能力A+ 知能C+ 魔力D 創造コスト100
吸血鬼
恐怖を催すような美貌に、鋭い眼光、鋭利な八重歯を持っている。人間の血を好む。日光や銀など、弱点は多い。日中は活動できないが、夜は全能力に大幅な補正がかかる。
身体能力A 知能A 魔力B 創造コスト150
ドワーフ
背丈は平均150cmほどだが、膂力と頑強さは並外れている。
酒と喧嘩が大好きで、鍛冶が得意。
身体能力A 知能B 魔力E 創造コスト100
やはり総じてコストが高い。ここは2割引きで召喚できるドワーフをとりあえず召喚しよう。
召喚の項目をタップする。
クリスタルが光り、小柄だが、筋肉質な体を持ったドワーフが現れた。
「あんたが俺のご主人かい、よろしく頼むよ!」
どうやら気さくな性格のようだ。これは田舎育ちの俺としてはありがたい。
「よろしく! ドワ君」
「はっっっ。ドワ君!? 冗談うまいねあんた。流石にその名前は嘘だろ!」
一瞬なんて言われたのかわからなかった。
「え、冗談じゃないけど.....」
地獄のような時間が流れた。
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