まだまだ未熟か
テスト前(高校受験)なので勉強します。
背後に殺気ッ!
咄嗟に刀で払うと、手応えあり。
目の前の化け物の左腕が三叉になっていて、その一本が私に迫っていたようだ。
そしてそのまま普段の稽古で体に染み込ませた動きでもって、化け物を一刀両断にした。
戦いを終えて気づく。
後輩たちが胸を貫かれて絶命していることに。
クソッ!! どうしようもなかった!
見たことのない生物に動揺しなければこのようなことにはならなかったはずなのに!
やはり私はまだ未熟か。
意気揚々と部下を連れて出撃し、全滅させた。
ッ!! 見られている?
一瞬、視線を感じたもののなんの気配もない。
しかし感じている視線は確かだと私の本能がサイレンをうるさいくらいに響かせる。
意識を集中して視線の方向を探る。
前方20m先。
必死に目を凝らすもなにも見えない。
高度な擬態か光学迷彩か。
たとえ杞憂だろうといい。
私は視線の位置に殺気を振りまきながら駆ける。
さあ、どうだ。
なにもないと思っていたところに突如として左腕が現れた。
ビンゴ!
殺気に動揺して光学迷彩を解除するド素人でよかった。
わたしは勢いのまま胴体があるであろう場所に斬撃を加え、確かな手応えを感じる。
「ぐッッッ!!!!」
胴体を切断されたそいつはもがきながらも私に襲いかかってきたため、いそいで首を切り落とした。
妙にしぶとかった。
前の化け物といい、ここは人間と動物のキメラでも生み出しているのだろうか。
さて、戦闘が終わった、被害を確認せね.....そうか。
改めて部下を全滅させたという実感に押しつぶされそうになる。
先輩が消息を絶ってなし崩しに昇進しただけというのに、私にはできると盲信した結果がこれだ。
しかし後悔は後。
死んだ部下のためにもますます帰るわけにはいかなくなった。
覚悟を再び決めて歩みを進める。
先輩の部下として戦っていたときにはこんなことはなかったのに、なんて邪念はどうしても拭うことができなかった。
◇◇
数分歩くも全く出口が見えない。
トラップを警戒しながら歩くということはなかなかに体力を消耗する。
訓練所にいたときは戦闘以外はどうでもいいと思っていたから戦闘以外の評価は散々だったけど、無理やり補修で訓練され、及第点にまで鍛えさせられたことの意味を今更理解する。
しかし付け焼き刃は付け焼き刃か。
私は足元に張られていた糸に気づかず、躓いて大きく体勢を崩した。




