表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

かわいそうな状況の説明始めます。後編

連れていかれたのはおそらく中庭と思われる場所。ずっと思っていたがここはどこなんだろう。この中庭の広さからしてかなり大きい建物ということに違いはないのだが。そして俺をその謎の建物に連れてきた張本人はというと、部屋を出てからずっと誰かと電話をしていた。

ふと前のほうを見るとあの強盗をした男とコンビニに来ていたもう一人の警官がいた。しかし先ほどまでと違うのは強盗をした男の頭が大きくへこんでいるということだ。もしかしてだけどこの男がやったのか?

「でどんな感じー?」

「さっき電話で伝えたとおりっす。こいつ、手当たり次第に人に襲い掛かってます。しかもかなり力強くてすでに何人かやられてますね。」

「それにしてはおとなしそうだけど。」

男は突っ立ったまま微動だにしない。

「それなんすよねー。なんでか俺ら能力持ちに対しては見向きもしないんす。近づいてもむしろ逃げるぐらい。だからやりにくいのなんのって。」

「そーゆーことね。じゃあ僕が相手するよ。君たちは下がってて。」

「こいつ誰っすか?」

「君の新しい同僚だよ。仲良くしてあげてねー。」

「ということは能力持ち!?」

なぜか男は目をキラキラさせている。そして俺のほうに勢いよく体を向けると

「自分、日ノ本 太一って言います!いやー同僚とか初めてだから興奮しちゃってますね!能力名は疾風迅雷!これからよろしくっす!」

「いや俺まだ状況がよくつかめてないんすけど。」

「とりあえず離れるっすよ。邪魔になるといけないっす。」

日ノ本は俺を担ぎ上げ建物の中に通じるドアまで勢いよくかけていった。そこまで体が大きくないこいつのどこにこんな力があるのだろう。もしかしてこれも「能力」とやらの力なのだろうか。とりあえず俺はあいつの言っていたことが本当か確かめるためにもおとなしくあいつらの戦いを観戦することにした。





「君、能力持ちじゃないでしょー。同族だとなんとなくわかるんだよね。てか君一回死んだよね?頭にブロックぶち当てて殺したよね?なんで生きてるの?もしかしてもう言葉通じてない?誰かに操られてるとか?一応聞くけど自我ってある?ないほうが殺しやすいからできればないほうがいいんだけど。」

「あ゛、あ゛ーー」

「うん、言葉通じてないね。おけおけ。」

既に言葉も通じなくなっている男に対して全速力で距離を詰める。男は迷うことなく背を向けて走り出した。

「おっ、だいぶ速いねー。やっぱり君、誰かに操られてるでしょ。僕と同じぐらいのスピードとか、一般人が出せるものじゃない。このままじゃ埒が明かないから、ギア上げるねー。」

男との距離がだんだんと短くなっていく。

(これが全速力か。そこまで速くないな。しかもこの走り方...僕から逃げてるっていうよりも、僕を避けてる?なんで?)

「あ゛...神の...使い...ころぜ...な」

「できればまだお話ししていたかったけれど、もう時間だ。殺すよ。」

男の顔に手をかける。


ゴキッ


「終わったよー。こいつ、多分また生き返るから焼却処分ね。」

「おっす。」

男は首が180度回った死体をこちらに投げてきた。

「ひぃっ」

さすがに生の死体はきついものがある。だが慣れているのか日ノ本はそれを受け取るとどこかにかけていった。

「そういえば自己紹介がまだだったね。僕の名前は杉山 智弘。適当に智弘さんとでも呼んでね。」

「空気ぶち壊すようで悪いんですけど智弘さん、ここはどこですか?」

「い~い質問だね。ここはこれから君が働く場所、対特殊能力保持者制圧部隊本部、通称ASSUアッシュだよ。」

聞いてもやっぱりさっぱりわからない。俺はこんなところにいて本当に大丈夫なのだろうか。この人、普通に人殺してるし。これから俺の人生はどうなるんだろう。いやな予感しかしない。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ