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悪運強すぎなプロローグ始めます。

プリンとカップ麺とコーラ。この組み合わせを買うためだけに俺は毎日このコンビニまで来ている。今日もいつも通りその三品を手に取ってレジに向かった。深夜なので俺のほかに客は一人だけ。レジ打ちをしているのおそらくアルバイトと思われる二人だけ。今ならエロ本も買えるな、と思った。

「温めますかー?」

温めるものなんて一つもないだろ、と心の中でツッコミを入れる。

「あっ、いや、全部で540円になりますー。」

強く生きろよ、少年。あと語尾を伸ばすしゃべり方はやめたほうがいいと思うぞ。

「袋いりますかー?」

「いや、大丈夫です。」

家からそこまで離れてないしな。それにこれ以上この少年に仕事は与えたくない。

手にプリンとカップ麺とコーラをもってレジを後にする。

「殺されたくなかったら金を出せ!!!おい、そこのお前!お前もだ!動くな!」

男は懐からナイフを出していた。普通俺が店を出てから脅すだろ...とはいえ殺されたくはないのでおとなしくドアの前で突っ立っておく。

「ほら!早く!金出せ!」

アルバイトの二人はどうすればいいのかわからないようでおどおどしている。素直に渡したほうがいいと思うぞ、少年たちよ。

「ほっぉらあぁ゛かっかねだだだっせっせってえて」

男のろれつが回らなくなっている。こいつ、クスリとかやってるんじゃないだろうな...

アルバイトがおどおどしながらレジを開け、金を渡そうとする。それでいい。正解だ。

「おっせせぇんんんんだだっだよぉおっ」

男が店員の手を切りつける。切れた場所が悪かったのか血が噴き出す。

「うわああああああああああああああああ!」

アルバイトが泣き叫ぶ。まじかよ。想像以上にこいつはやばいかもしれない。

「おっおっおおまっまえもみみてってんじゃねぇええぇえっお」

こっちに向かってきた。顔もすごいことになっている。きもい。

「あー、ちょっと待ってくださいね。俺死にたくないんですよね。できれば見逃してほしいかなっていうーあーできればでいいんですけどね?」

命乞いは嫌というほど出てくるが足が動かない。これが恐怖というものか。

もう目の前に男がいる。男がナイフを振りかざす。

おかあさん、お父さん、産んでくれてありがとう。先立つ不孝をお許しください。僕、坂田紘一はあなたたちのもとに生まれられて幸せでした。さようなら...


                    ガンッ


鈍い音がした。人の頭って切りつけるとこんな音がするのか...



あれ?痛くない?頭をさすってみるが血も出ていない。おろろ?

「大丈夫ですかー?」

おそるおそる目を開けると警官と思われる男が二人、立っていた。

助かった...のか?

「あ、はい。大丈夫です。僕よりもあの店員さんを...」

「あの人ねーなんとか生きてるよ。」

よかった。ほっと胸をなでおろす。

「あの、男の人は?」

「あの人ねー助けたかったんだけどねー洗脳がかなり深かったからねー残念ながらって感じかなー。」

「え?」

まぁ多分お縄についたということだろう。あの音も、止めるためにとっさに何か投げたとかそんなんだろう。

「それよりもさー」

警官はまだ何か言いたいことがありそうだ。

「なんですか?」

「君の手首見せてもらっていいかな。」

そういうと警官は俺の手首を強引に引っ張った。

「いたたたたたたたたたたたたたた」

「あーこれ出ちゃってるねー。」

つかまれている左手首をよく見るとなにか文字が書かれていた。

「あれ、こんなの書いた覚えないんすけどね。いつかいたんすかね。」

警官は立ち上がってもう一人の警官と何か話している。

「あの、俺かえっていいすかね。」

「いやー事情聴取とかあるからちょっと待っててね。」

いやな予感がする。しかし無視して帰るわけにもいかない。

数分後、また警官が俺のところに来た。

「どうなったんすか?」

「えっとねー結論から言うとねー君には今三つの選択肢があるんだよね。」

「ん?」

「一つ、僕たちに殺される。二つ、一生人体実験のモルモット。三つ、一生収容施設で服役する。四つ、俺たちと一緒に来て、働く。どれがいい?」

四つじゃねーかと心の中でツッコミを入れる。いやそんなことよりも意味が分からない。

「え?どういうことですか?何かのドッキリ?僕何もしてないんですけど。」

「うーん今説明しだすと長くなるんだよなー。とりあえずどれがいいか言ってー。」

「え。じゃあ消去法で四番目で。」

おそらく何かのドッキリだろう。

「おっけー」

警官はポケットからハンカチを取り出して俺の口に当てた。そこで俺の意識は途切れた。

しかし警官が最後に言った言葉だけは覚えている。



「またこれわかりにくいのが来たな。我武者羅か。どんな能力なんだろ。少し楽しみだ。」










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