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035、警告、奇襲

『ちなみに、異国の童よ、汝の……、いや、いいか。肩入れするのも望まぬこと故、』


 そんな気になる言葉を吐いた姫にとりあえずの許しに対しての感謝を告げて洞窟を出る。

 入山した時間からすると、まもなく、夕方という時間帯にかかり始める、

 冬は夜の訪れが早くて嫌になる。


 さすがに、冬山、夜間に歩き回ったりはしたくないので降りようと、小鳥谷に促す。

 額の傷は一日で塞がるようなものではない、明日もかごは続くだろう、と思って、


 その時、天端に吹き下ろす強い風の中にひと際低い音が混じった。

 びうびうと、すさぶ風の中に隠れきれないその音は、


――ぼぼぼぼ、と羽が風切る音である。


 ただ、自然の羽ではない。

 人工的なその音は……、

 見上げる。


 機械、人工、小回りの利くピストンモーターとシャフトモーターの規則的な音。

 ヘリコプターだ。



 入っていけない地のはずのその山にヘリコプターが飛んでいるという異常事態が一つ。

 神格レベルのものと相対し、其処から開放された緊張の緩みが一つ。


 爆音を立てているヘリコプターから、飛び降りてきた人影が――とどめ。

 三つ重ねた驚きに一瞬の忘我。それが致命的な――。


 地上にいた者たちのうち、それに対応出来たのは一人だけだった。


『――っ!!』


 自由落下という加速度を持って降りてきたそれが、己の主の頭蓋をザクロの様にする前に、

 残存魔力の殆ど全てを使い切ってシールドを多重展開する!


 猛烈な勢いで消費される魔力が体内の回路を焼くように奔るが、痛みは抑え込む。

 そらすのは無理で、回避は――主が気づいていないので無理だ。


 だから、今できるのはせめてそのエネルギーをできるだけ殺す、とそれだけのためのシールドの展開。

 マリーをして制御の大半を放棄した展開が、しかし、終端速度に達していない落下物に叩き割られる。


『うぁーー!』


 展開した七枚の内、五枚が割られ、六枚目にヒビが入り始めた時点で七枚目にアクセス、術式の書き換えを急ぐ。威力が殺せないということがわかった分、別の方法で被害を減らすしか無い。

 ザクロを見ないために取った選択は、


 エネルギーをへらすことを諦めて、威力の変質『砕く』力を『吹き飛ばす』力に。

 その変更は――間に合った!


短いので本日は12時にもう一本

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