ウロボロス【詩】
空
白
風
氷
木
木立
冬木立
桜の冬木立
太古の昔より
自転を続ける大地の上に
私達は家を建てて生活している
その不安定さについて考えたことはあるだろうか
ブエノスアイレスから見た空は
関東の上空まで流れ込んでいる
桜の冬木立
冬炬燵
布団
暖
猫
児
父
母
これほど閑静な住宅街でさえ
そら恐ろしい速度で疾走しているのだ
先も見えぬまま世界は進み続ける
星の外に
逃れる場所はない
冬木立
枯れ木
酸性雨
温暖化
砂漠化
旱魃
飢饉
疫病
逃れる場所は無い
この星のみが私達のテリトリー
愚蛇は自らの尾を追い続ける
つかまえたらがぶり!
尻尾が口に吸い込まれる
尾から下腹へ臍へ胸へ
そして仕舞いには完食してしまうのだ
全て・自分の体を
2005年、大学2年のころに制作。
ウロボロスとは、円環を描く蛇が自分の尾を食らおうとしている図案のことで、完全なもの、循環するもの、死と再生などの象徴とされます。