彼らの戦い
Q・なんで完結させたの?
A・まだ書くのは早いと感づいたので
自分の力量では、これじゃ書けないと悟ったので完結させました。読んでくれてた人達には本当に申し訳ないです。
「……最近、デンタイ周囲に不穏な影が……?」
『はい、まだ問題はありませんが、油断を許さない状況ではあるかと』
総理官邸、そこに秘密裏に作られた通信室で、電話越しに総理秘書と、麗羅が会話をしていた。
内容は、最近デンタイ周囲で起こる不可解な事件についてだ。
『先日のドラゴン?といい、怪生物の襲来といい。最近、私達を狙ったと思わしき存在が頻繁に出現しています。今回の報告前にも、前回と似た怪生物の襲来があって……』
「……そうですが、わかりました。もしかしたら、そちらに協力を頼む機会が近々あるかもしれませんので、その時はよろしく頼みます」
『……今度行われる。ロボット展覧会ですか』
「さすがですね。では、その時に」
お互い短い会話を交わして電話を切る。大きな会場で行われるロボット展覧会……デンタイを狙う者がいるのなら、必ずそこで何か仕掛けてくるはずだと、秘書も麗羅も思っていた。
デンタイを狙う不穏な影……どこまでも付き纏うそれは、やがて日本を覆って行く……
「つう訳で、警備の仕事ですか」
デンタイ本部にて、麗羅達はロボット展覧会警備のための計画を立てていた。無論、極秘ミッションであるからにして、警備にしてもバレないように対策する必要があった。
「ロボット展覧会……?何が展示されるんですか?」
ここで疑問を口にしたのはエイトだ。彼女は人間だった頃にはロボットそのものに興味はなく、その制御などを行うコンピュータなどに興味があったので、展覧会の事を名前だけしか分かっていなかった。
麗羅がその疑問に答える。
「んー、そうね。こう、最新技術でできたロボットとかが展示されるわね。中には物騒なのもあるから、私達がもしもの時は押さえ込まないといけなかったりするかもね」
「えっ、それって大丈夫何ですか?」
「大丈夫よ。デンタイみんなならきっとね」
麗羅がそう言って全員の顔を見る。巧と藤孝は相変わらずのマイペース。冴子と四蔵、五華はさっそく計画を立てている。六助と奈々も当日のオペレーションに関しての話し合いをしているようだ。全員マイペースである。
「……大丈夫よ」
「そ、そうですね……」
展覧会、当日ーーデンタイメンバーは会場周辺の電脳世界に潜み、事の成り行きを見守っていた。
すでに開場から4時間を経過し、つつがなく展覧会は開かれている。
『……こりゃ、出番ないかな?』
『まあ、ない方がいいだろう』
『ですね』
会場を現在守護するのは巧、藤孝、エイトの3人。長丁場になるため、交代で任務にあたる。
『しかし、腹減ったなぁ……』
『まあ、2時間も連続でダイブしているからな』
『私は平気ですけどね〜』
呑気に話す3人。しかし、麗羅からの通信がその空気を壊す。
『3人とも!会場のロボットが、暴走をーー!』
しかしその通信は途中で途切れる。どうやら通信を切られてしまったらしい。しかも、通信が切れた瞬間に合わせて、電脳世界の会場から異形のロボットが飛び出してきた。数多のロボットが合体したそれは、まるで醜悪な蛇のようだ。
『こいつは……!』
その蛇が3人をその視線に捉える。すると、驚くべき速さでするりと近づいてきたかと思うと、巧のロボットをその巨躯で締め上げてきた。
ギシギシと音を立てて軋む巧のロボット。藤孝は蛇に対して攻撃を仕掛けるものの、あまりのサイズの違いに攻撃が通用していない。
『私が行きます!』
するとエイトが蛇へと突撃、その口の中に飛び込む。すると、蛇が途端に苦しみ出し、体の一点から光を放つとともに、巧を解放する。
『巧さん!ここを!』
『おう!』
解放された巧のロボットの腕のドリルが猛回転、蛇の体を貫く。
すると、蛇の体躯が崩壊して行き、エイトもその体内から脱出する。
『なんとか倒せたか……』
『あんがとな、エイト!』
『が、頑張りました〜』
その後、麗羅からの通信も回復。会場の人々に存在がばれる前に、ずらかる。
そんな彼らを見つめる影が一つ……
『……なかなかやるじゃないか、でも、次は勝つよ』
『フフッ!ははははは!』
彼らの戦いは、まだ始まったばかりだーー
本当にありがとうございました。次回作でお会いできる事を願っています。