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オーバーデータ  作者: 天地 優介
電脳少女?
3/6

超機体スサノオ

スサノオとエイトちゃん大活躍の巻。

ちなみにスサノオの元ネタはみんな大好きマイトカイザーです。スパロボVだとグレートマイトガインよりも使いやすかったです。


電脳犯罪特務対策室にエイトが入ってから四日後、エイトはコマンドー1こと一橋巧と共に、電脳世界内のビル群(といっても人気はない)であるものを探していた。

それはデータハイヴと呼ばれるもののデータコアだ。

データハイヴとは大量のオーバーデータによって構成された意思を持ったデータ群の事で、ハイヴのデータコアを守るために、オーバーデータで構成されたバグジャーと呼ばれる怪物たちが群れをなしている事から、蜂の巣に例えられてデータハイヴと呼ばれている。

危険度が高く、電脳世界での危険度が実体世界よりも遥かに上である要因の一つであるデータハイヴだが、幸いにもデータハイヴの核となりそうなデータコアは事前にその反応をキャッチする事ができ、まだハイヴを形成する前に確保して、しかるべき処置を加える事で強力なエネルギー源となるため、一概に害しかもたらさないというわけではない。

エイトは巧と共にハイヴのコアを探していたのだが……。


『……やっぱり、見つからないですね』


『ちっ……そう簡単にはいかないとは思っていたが、まさか痕跡すら見つからないとはな……。正直、そろそろ引き上げたい気分だぜ』


どうやら、苦戦しているようだ。


『しかし、あれだけ大きかったロボット……スサノオでしたっけ?そんな小さくなるとは思いませんでしたよ』


『ああ、スサノオをはじめDMデータマシンはデータで構成されているからな、こんなサイズにもなれる。ロボットの巨体は目立つし、電脳世界で生身で活動しようにも業務が業務、ましてや俺たちは顔バレしたら終わりなわけだからな、余程の事がない限りは人間サイズでの活動だ。これはこれで特撮の戦隊ヒーローとかみたいで好きなんだけどな。やっぱ男ならデカいロボがロマンだよなー』


『……私は(少なくとも今は)女の子ですけどね』


『いや、なんかお前ならこのロマンをわかってくれる気がしてな』


『まあ、かっこいいロボットは好きですけど、スサノオはちょっと赤すぎません?赤けりゃ強いわけじゃないと思いますけど』


『いーんだよ、DMはイメージからだ。それに俺はいざという時の囮役もあるからな、目立つぐらいがちょうどいいし、それに…』


『それに?』


『何より1号機といやあ赤だろ!戦隊でも元祖合体変形ロボットでもそうだったしな』


『…まあ、否定はしませんよ。でも、スサノオってつい最近作られたんじゃ?』


『こいつ自体はそうだが、ぶっ壊れた前のDMも名前が同じだし、性能も似てるから同じ様なもんだ。それに、俺はコマンドー1だ。やっぱり赤が似合うんだよ』


『そんなもんですか』


『そんなもんだ……そろそろ引き上げるか?』


『そうしますか……何も見つかりませんでしたね』


『そうだな…………待て、何か妙な反応がある』


『反応?……確かに、どんどんこっちに向かってきてますね』


『ああ、気をつけろ』


かなりのスピードで二人に近づいてくる反応に対して警戒する二人。周囲を見渡すが、反応が目視できる距離に近づいてきても、その姿は見えない。

だが、ここで巧が閃く。


『…エイト!下だ!』


『えっ?』


しかし巧が気付いた瞬間。反応もスピードを上げる。

エイトに対して警告すると同時に、エイトを抱えて逃げようとする巧。しかし、反応の方がスピードが早い。


グオオォォォォォン!


咆哮と共に地下から飛び出してくる一体の巨大な、ビルほどの大きさはある蛇ーーいや、龍。背部のユニットを抉られながらも、なんとか地下からの攻撃を回避する巧。しかし、衝撃によって抱えていたエイトを放り出してしまう。


『エイト!逃げろ!』


叫ぶ巧。相手の狙いが自分達ならば、巧が囮になってエイトに救援を要請してもらった方が生存確率が高くなると判断しての事だ。その言葉に従って逃げ出すエイト。それを確認すると右腕のドリルを唸らせて龍に対して攻撃を加える。しかし、損傷とサイズ差が原因で思ったよりもエネルギーがでず、表皮を貫くことはできない。それでも注意は引けるはずと攻撃を繰り返すが、龍は気にせずエイトに対して接近しようとする。


(狙いはエイトか……?なんにせよ、ちょっとヤバイ状況だな)


このままでは二人ともやられると判断した巧はスサノオのデータを本来の大きさに再構築する事を決意。デンタイのボスである麗羅に通信をとる。


『そっちの状況がいきなり把握できなくなったけど、何があったの⁉︎』


『ボス!実はヤバイ状況でしてっ!』


さすがに鬱陶しくなってきたのか、巨大な体躯を揺るがせての攻撃を避けつつ麗羅に事情を説明する巧。


『わかったわ。巨大化許可!エイトちゃんを守り抜きなさい!』


『あんがとうございます!……よっし!いくぜ!』


許可を取った直後、龍がその尾を叩きつけてくる。しかし巧はそれを避けようともせず。


『データ再構築!巨大化!』


その声と共にスサノオの体躯が巨大化していく。その内部もパワードスーツの様に巧の動きをトレースするシステムから、ロボットアニメの様に巧が直接操縦するシステムへと変更されていく。


『うおおおおおおおお!』


龍の尾を受け止め、巨大化していき、巧の咆哮と共に尾を跳ね除けるスサノオ。

これで龍とほぼ互角の大きさとなったが……


『くそっ!こいつ、スサノオよりもパワーが上か!』


龍のパワーに押されるスサノオ。その様子を逃げながらも心配そうに振り返るエイトだったが、ある事に気づく。


『……⁉︎巧さん!あの龍の中にデータハイヴの反応があります!』


『何⁉︎じゃあ俺らの探し物は……!』


『はい!あの龍です!』


『まじかよ……!ボス!』


『話はいたわ、どうりでそっちの状況が掴めなくなってたのね。データハイヴのうちには、通信を妨害する電波を発するものもある。今回は普通に通話できているけど、どうにもレーダーの電波を妨害されちゃってるみたいね。そっちだけでなんとかできる⁉︎』


『いやーちょっと、厳しいすっね……こいつは難敵ですよ…!』


『コマンドー2と3は他の任務に、コマンドー4のDMは整備中よ。コマンドー5を援護に送るけど、彼女も戦闘は不得手だわ。ある程度はもたせて!』


『了解ですっ!』


しかし、徐々に押されるスサノオ。ついに龍に押し倒され、地面にその巨躯が横たわる。


『ぐおっ!』


衝撃にたじろぐ巧とスサノオ。その隙をついてエイトを追う龍はついにその小さい手の中にエイトを捕まえる事に成功する。

だが、それを許す巧ではない。背部ユニットの損傷によってパワーが上がらないスサノオで、必死に龍をを止めようとするも、逆に龍の長い体躯によって機体を縛り上げられてしまう。


『ぐぅぅぅぅぅ!くそっ!』


ギシギシと音を立てて軋むスサノオの巨躯。その光景を見て絶望しかけるエイトだったが


『ここで、終わるわけにはいかねぇ!』


巧がそう言って抗い続ける姿を目にして、すぐに立ち直る。そうだ、自分が絶望してどうする。この龍の狙いが自分ならば、何か自分にはあるはずだ、この龍に対抗する力が。そうエイトが思考したその時、彼女の身体からあるものが生成される。


『オーバーデータ……⁉︎』


そう……オーバーデータだ。言っておくが、オーバーデータはデータハイヴでも生成される。しかし、それはあくまでデータハイヴが大規模のものとなった場合である。龍の中にあるデータハイヴ程度では、オーバーデータを生成する事などできない。そして、オーバーデータはそう簡単に作れるものでもない。簡単に作れるのなら、危険なデータハイヴへの侵入がオーバーデータの効率的な収集手段の一つとはならないのだ。

そんなものを自力で生成したという事実に固まるエイトだったが、これを利用しない手はないと判断して、デンタイに勧誘された日のようにオーバーデータを操ってスサノオの損傷を修理する。

オーバーデータを補充した事によってパワーが上がり、龍の拘束を解くスサノオ。すぐさま巧はDMに備わるある機能を使用するため、麗羅に連絡する。


『ボス!オーバードライブの許可を!』


『わかったわ!確実に決めなさい!』


オーバードライブーーDMを構築するオーバーデータの処理能力を一時的に向上させる事で、機体自体のパワーを上げるという機能。使用後は機体性能が落ちるものの、まさに切り札と呼べるものである。

そして、実体世界ではオーバーデータが実体世界にそう長く存在していられないのもあり、三分間の使用が限度となるこの機能だが、電脳世界では実体世界以上のパワーを引き出すことができるうえ、使用可能時間も10分間となる。


【オーバードライブ】


電子音声と共に、赤く輝くスサノオの体躯。スサノオは龍の手からエイトを救出、機体内部のコクピットに収納すると、龍の尾を掴み、ぶん回し始める。


『おおおおおおお……らあっ‼︎』


そのままビル群へと龍を投げ飛ばすスサノオ。ビル群に突っ込んだ龍は若干弱るが、それでもスサノオに対して突撃してくる。

しかし、スサノオは待ってましたといわんばかりに右腕のドリルを唸らせる。


ギュィィィィィィン……


猛烈に回転するドリルに、エネルギーが蓄積していく。ふと巧がコクピット内にいるエイトを見ると、周辺の空間のオーバーデータをスサノオのドリルに集めている。

巧に見られている事に気がついたのか、暗い顔になるエイト。オーバーデータという大きな力をを生成し、操れる事を気味悪がられるか、恐れられると思っているからだが、巧はそんな事は気にせず


『援護、あんがとな!お前がいなきゃ、勝てなかった』


そうとだけ言い、向かってくる龍に向けて必殺の一撃を放つ。

それは、男のロマン。

それは、穴を掘るための道具から放たれる、天をも貫く一撃。

その名もーー


『ドリル!クラッ!シャァァァァァァァ‼︎』


ドリルが龍の体躯めがけて猛烈な回転とスサノオの右拳と共に突っ込み、その威力が炸裂する。

中のデータハイヴのコアごと吹き飛ぶ龍。

スサノオの完全勝利…と、言いたいところだが。


『あ、やっべ、今回の任務がデータハイヴのコアの回収って事、すっかり忘れてたわ』


『……後で、怒られませんように』


この後、ボスからこっぴどく怒られたのはいうまでもないだろう。



















「……ところで、藤孝と冴子ちゃんはどこいったんだ?別の事件を解決中って話だったけど。……教えくれないっすか?奈々さん」


「……彼らなら、闘技場でバトル中よ」


「へー………闘技場⁉︎」






次回予告


「つーわけで次回はコマンドー2こと藤孝と、コマンドー3こと冴子ちゃん大活躍の回だ」


「今回私達活躍できてたんですかね?」


「さーな、まあ作者は小説書き始めてまだ一ヶ月もたってないから、多少のミスは大目に見てやってくれよ。しかし、スサノオもボロボロになってたな…」


「でも、巧さんはかっこよかったと思いますよ。少なくとも私はそう思います」


「そうか……あんがとな」


「(ドキッ)は、はい……」


「どーかしたか?」


「い、いえなんでも!」


気を取り直して!次回タイトルは「白熱のバトルフィールド」!クールで熱い刑事魂を持つ2人が活躍します!刑事じゃもうないけど!

次回も〜オーバードライブ!


あ、パロディとかは活動報告でまとめて解説します。まだ全然入れれてないから解説できる量溜まるかわかんないけど。

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