歴史の転換点
軍事国家シラインのどこか
「総統決行します。」
黒きローブをかぶったやつは言った。
「これが今後この行動で世界はどう動くかだ。」
「今日は魔物がいつもより多いから学校休みだって。」
「そうなんだ。」
いわゆる台風で休みになるみたいな感じか。ラッキーラッキー。
「でも母さんこの辺って魔物が出ないんじゃないの?」
「たまに出るんだよ。だから父さんも朝から魔物狩りに行ったわよ。」
「へー」
魔物とか見てみたいな。オークとか触手とか。
「今日お休みならもうちょっと寝てたら。」
「うん。そうするよ。お休みね。母さん。」
それが母さんと交わした最後の言葉だった。
「うっ焦げくさ!!母さん何やってんだよ。」
俺は立ち止まった。いや何かに縛られた感じがしたのかもしれない。
「何だよ。これ。」
寝室から出て見た風景は家が燃えていた。
「母さん。おいどこなんだよ。アツー」
このままだと俺まで死んでしまう。外に出ないと。
「波動剣術。波動剣」
そんな声とともに燃えていたドアが吹っ飛んだ。
「父さんなの。」
それは頭から血を流し腕が一本なく矢が数本背中に刺さっている。
「最後にお前に会えて良かった。」
「何言ってんだよ。まだ死ぬわけ。」
俺は察してしまった。もう死ぬ瀬戸際だということを。
「誰なんだよ。どうしてこうなったんだよ。父さん。」
やべー。涙が出てきた。生前の時親が死んでも泣かなかったのに。何でだろ。
「泣くなよ。カー。お前はまだ死なないだろ。」
「俺も一緒に父さんと死ぬよ。だって俺は。」
2度目の人生だもんとは言えなかった。
「馬鹿か。お前が死ぬのは早い。生きろ。」
そう言い父さんは、一本の腕を俺の胸元に当てた。
「うがっ」
身体に何かがこみ上げた。 体内に得体に知れないものが
「逃げろ。急げ。裏山から逃げろ。急げ。」
「でも父さん。」
「俺に構うな。今すぐ逃げろ。早く。あとこれを持って行け。」
俺に剣を渡してきた。
「逃げ切ろよ。」
「うっ、うん」
俺は村を見て愕然とした。
「おいおいまじかよ。何なんだよ。これ。」
家々からは火が吹き逃げる人々に対し何処の国かわからない兵に次から次えと惨殺されていた。
まさに地獄絵だった。
俺は逃げた。逃げまくった。自分の限界を超えて。死という恐怖に駆られながら。
「何でこうなるんだよ。何でだよ。」
異世界に転生して8年何もかもがうまくいってたのに。
「はぁはぁはぁ」
やばい。しんどくなってきた。
どれぐらい時間が経っただろう。
「がっは」
石に躓き倒れた。
「あっ」
背中に一本の矢が刺さっている。痛い。
「また、死ぬのかな。けど8年もいい思いできたからいいか。」
ミルは死んでしまっただろか?
母さんはどうしただろうか?
こんな俺を良くしてくれた村の人々はどうなっただろうか?
「はぁ、楽しかったな異世界生活。」
そうして俺の意識はとんだ。
これは後にカイロライナー侵攻と呼ばれ歴史の大きな転換点となることになる。
あー寒い。雪が降ってます。
本編遂に入りました。
楽しんでください。
手が限界なので次話でお会いしましょう