第六話 第十一部 ヘトヘトに、なりながらも。
「白羽根、大丈夫か?」
「白目むいてるぞ。」
俺は生田と磯見の肩を借りながらプールを後にした。夕日が綺麗に輝いている。女子たちは後ろでめちゃくちゃ楽しそうにはしゃいでいる。
撫子につれられた後、ボートプール10回、しかも上級コースまで。滑り台5回という信じられない回数だった。そのせいで俺はへなへなになってしまった。撫子はというと元気にありふれた様子だった。本当に文科系か? 運動もできるんじゃないか? 普通に運動部に入ったら体力的には上位なのではないのだろうか。撫子の不思議なことばかりが見つかってくる。驚きを隠せないときが続いた。
「ごめんね拓斗、無理させちゃって。」
撫子が俺によってきた。生田と磯見は肩を離して、それぞれ自分の彼女のところに行った。
「問題ないよ。それより今日は楽しかったか?」
「うん! すごく楽しかった!」
「女の子たちとも仲良くできた?」
「うん。喧嘩もしなかったし、なにより皆がまとまって仲良くなれてよかった。ありがとう、拓斗のおかげでいろいろと自信が持てるようになったかも。拓斗に会ってなかったら今頃どうしてただろう…。」
撫子は目を輝かせながら太陽を見ていた。俺はうれし涙が流れてきた。こんな優しい彼女をもてるなんてなんて幸せなことなのだろうか。俺は撫子にばれないように手で目をぬぐった。
「さあ、帰ろうか。そして夏休みは長いからもっと楽しもう!」
「うん!」
俺と撫子は手をつないで帰った。後ろの生田と目黒、磯見と藤浪もすごく楽しそうな顔をしていた。これが撫子の望んでいたことなのだろうとも感じた。




