第一話 第八部 メールアドレスの、交換。
「私はこっちなんだけど一緒かな?」
六道が指を指した。その方向は俺が帰る道とほぼ一緒だった。
「あれ? 一緒じゃない?」
「本当に! ならよかった。」
そういって六道はテクテクと歩き始めた。よく見ると今まで見てきた彼女とは全く違う雰囲気が漂う。あんなにクラスの中では目立たない人だったのに、いろいろと知ってしまうとこんなに一人だけ輝いて見えるようになるなんて。俺はやっぱり恋に落ちたのかも知れない。
「あ、ここから曲がるんだ。」
そういって六道は曲がる方向でとまった。
「そっか。じゃあここでお別れだな。」
「うん。もうちょっとお話ししてみたかったけどね。」
俺はその言葉にピクンと反応してしまった。これはチャンスなんじゃないか? メールアドレスなどを聞き出せばきっと良い方向に迎えるかもしれない。よし、ここは考えるより実行だ!
「なあ六道、もしよかったらメールアドレス交換しないか?」
「えっ? 私と? う、うん! いいよ!」
そういって彼女はピョンピョンと飛び跳ねながら携帯を出し始めた。そんなに嬉しかったのか。これはこっちもひゃっほおおおおお!! って叫びたくなる。こんな嬉しいことはない。
「私ね、こういう風に友達とメールアドレスを交換するのは始めてなんだ。」
「そうなの?」
そういいながら俺達は赤外線を使って交換した。それにしてはとてもなじんでいるかのように手際よかった。
「私はいままで仕事のお話とかでしかメールはつかってなかったから。」
「仕事?」
俺は少々驚いて聞いてみた。仕事なんてやっているのか?本当に六道っていったいなにものなんだろう。




