84/390
第五話 第三十部 テスト明けの、抱きしめで。
俺と撫子はゆっくりと歩いていった。こうやって一緒に帰るのもテスト終わってぶりだ。撫子の笑顔がすごく眩しい。かわいい、かわいい! かわいい!!!
ギュッ
「きゃっ。」
撫子は可愛らしい高い声を出して驚いた。俺の心臓はバクバクとしていた。
「テスト終わったから…ちょっと寂しくてな。」
そういって少し強く抱きしめた。撫子も俺と同じぐらいギューッと抱きしめた。とても良いぬくもりを感じた。
「もう…恥ずかしいじゃない。」
そういって撫子は俺を引き離した。そして俺の腕を掴んでこっちをみた。
「歩こっ。」
「ああ。」
そういって俺たちはゆっくりと歩き始めた。
「ねぇねぇ、こんど目黒ちゃんと生田を誘って一緒にお出かけしない?」
「いいね! でもどこがいいかな…。」
そういって俺は考えたが、すぐに何処が良いかは思いついた。そうだ、隣町にはたくさん面白いところがあるじゃないか。そうだそうだ、それしかない。
「そしたらさ、隣町にいって一緒に遊ぼう!」
「いいよ! 楽しみだな~っ。」
そういって撫子は組んでいる腕を放してクルクルと回り始めた。髪がさらさらと靡いている。綺麗だ。そして目も藍くなっている。透き通るような目には嬉しさとまだ少しだけあの弱々しい心が少し見えた気がした。




