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第五話 第二十八部 やせ我慢の、涙を流し。
二人は抱き合っていた。泣きながら抱き合っていた。本当に大好きだって気持ちを伝えるには大変なものだ。それも両思い、そして伝えて断られたらどうしようというお互いの気持ち。本当に好きだという証拠だろう。いかん、俺も涙が…。
「拓斗……泣いてるの…?」
「泣いて…ないさ。ソレをいうなら撫子もだろ。」
そういって俺たちは二人の様子を眺めていた。二人ともとても嬉しそうな顔をしている。泣きながらでも笑顔があふれている。二人とも、本当によかった。付き合えてよかった。
「私も…やっぱり拓斗と付き合えてよかった…。」
「俺もだよ…撫子…。」
そういって俺と撫子は陰でこっそりと手を握りしめあった。俺と撫子、生田と目黒。恋人同士になれて本当によかった。
「そろそろ…隠れてばっかりじゃ迷惑だから帰ろう。」
「ああ。」
俺と撫子は公園を後にしてもと来た道を戻っていった。俺と撫子は少々目をこすりながら戻っていた。さっきの様子を見て泣いてしまったからだ。俺と撫子も「泣いてないよ」と言ってはいたけれども、やせ我慢をしていただけだ。本当は大好きで大好きでたまらないのだ。そんな彼女と付き合えて俺は…。




