第五話 第二十六部 恋がしたくて、改めて。
目黒はキョトンとした表情になる。そしてやっと何を言っていたのかを理解すると顔を赤らめた。
「わ、私はっ! 恋なんて…一度もしたことないから。どんなのが恋なのかわからないの。」
「そ、そうか…。俺もさ、恋ってどこからが恋なのかわからないんだよ。こう…ドキッって来るのが恋なのかな。」
撫子と俺はドキドキしながら見ている。見ている側というのもけっこうドキドキ来るものだ。
「撫子。告白していた時ってこんな感じでドキドキしてたか?」
「私は…怖いって気持ちが大きかった。」
「そっか。あの時はまだ…。でも今は俺がいるから安心してな。」
「ありがとっ。後は見守ってあげないとね。」
生田は下を向いていったん落ち着こうとしている。そしてもう一度落ち着くとまた話しかけた。
「でもさ…今恋をしてみたいって人は…いるんだよ。」
「そ、そうなんだ。」
お互いに緊張の糸が張り詰めている。一言に重みが感じられる。
「私もね…恋…なのかわからないけど。そんな気持ちになるときがあるの。」
目黒も恥ずかしがりながらも答えていく。もう少し、もう少しと俺は念じて見ていった。
「あの…目黒さん!」
突然生田が大きな声で目黒を呼ぶ。そして改まった姿勢で立ち上がった。威風堂々としたその姿は俺からみてもかっこよかった。
「は、はいっ!」
それにつられて目黒もビクンと立ち上がる。ここで…告白だろうか…。




