第五話 第二十四部 生田を見守る、俺と撫子。
テスト最終日の帰りの会が終わり、俺と撫子は一緒に帰ることにした。
「ねぇ、アレ見て。」
撫子が指を差すと生田が目黒と話しているのが見えた。
「テスト終わったからさ、一緒に帰らない?」
「うん! いいよ。」
そういって生田と目黒が一緒に帰っていった。
「ねぇ、見守ってあげようか。」
撫子が俺の袖をツンツンと引っ張って言った。たしかに、アイツはもしかすると告白するかもしれない。そんな雰囲気が漂ってきた。でもテスト終わってすぐに…本当に一か八かの勝負なんだろうなぁ。その雰囲気に持っていけるかが勝負だぞ、生田!
俺と撫子は後ろから二人の様子を見ながら帰っていった。二人とも仲良くしているようにみえるが、おそらくテストの会話だろう。生田がところどころで落ち込んでいる様子がある。それでもすぐに立ち直って会話している。
「上手く…いくかな?」
俺はボソッと言った。撫子は軽くうなずきながら俺の方を見た。
「私は…成功すると思うよ。良い関係になれそう。」
撫子が言うなら間違いないはず…。たしかにいままでに二人とも好意を寄せているかのような表情がある。でも…後一歩が踏み出せずにいる。その一歩が出れば…お互いスキだという気持ちを伝えられるはずなのに。俺は行けよ、そこで言えっと念じながら歩いていった。
「拓斗も最初は言うの恥ずかしかった?」
撫子が俺に聞いてくる。
「俺か? 一目ぼれだったからなぁ…。」
「そういわれちゃうと恥ずかしいよ…。」
撫子は顔を隠す。
「でも…スキって気持ちがものすごく強かったし、覚悟決めていたからすぐいえたってのもあるよ。アイツは…心の準備が難しいのだと思う。」
「そうだね…。でもっ、今回は上手くいく気がする。」
撫子がニコニコと笑顔を見せた。その間にも前の二人はドンドン歩いて行く。俺たちは遅れないように遠くから見守っていた。




