第五話 第十七部 集中と、恋愛。
「ただいまー。」
俺は帰るとすぐに自分の部屋に移動した。そして机の上に勉強道具を置いて勉強の準備をした。今頃撫子は何をしているだろう。そして生田や目黒たちはどうしているだろう。そんなことが頭の中をよぎった。いやいや、今はそんなことを考えている場合じゃない。もう一週間切ったと考えて勉強しなければ!
…………。
集中して勉強するとけっこう時間がたつことを忘れてしまう。ここまで進んだかと思って時計を見るとこんなに時間がたっている! 又は、まだまだこれだけあると感じる。これは絵にとってみてもそうなのだろうか。俺は休憩中にそんなことを考え始めた。でもきっとそうだろう。集中はほかの事を忘れるぐらいすごいものだ。だからこそ、集中ということなのだろうか。よし、勉強がんばるぞ!
「………デートしたい。」
テスト範囲の内容を全て覚えた私はベットの上にゴロンと寝転がった。絵を描きたい。けれども今はデートしたいという気持ちの方が強い。拓斗に会ってから私の気持ちが大きく変わった。いままでだったら全部がネガティブ思考だったのに…。何に関しても楽しめるようになった。絵のモチベーションもすごくあがった。やっぱり…拓斗のおかげで私の心が癒されているのだろう。私は抱き枕をきつく抱きしめた。
「拓斗……。」
しかし、私のやるべきことはたくさんある。その作業をしてから拓斗にメールを入れよう。拓斗は待ってくれるけど、時間は待ってはくれない。頑張って絵を描こう。拓斗のことを考えれば絵もいつもより進んでできる。だからこそ、頑張らなければ!
「拓斗、大好き。」
私は独り言を言うように、でも拓斗の心に届けるように言った。私の花瓶には藍いバラが一つ、置いてあった。




