第五話 第十六部 好影響と、悪影響。
「それじゃあ、また明日ねっ!」
そういって目黒が生田と別れた。
「おう、また明日な!」
生田は目黒が見えなくなるまで手を振り続けた。そして生田の目線から消えると、大きなため息をついた。そりゃそうだろう。あれだけ疲れる様子だと全集中を目黒にささげていたのだろう。まだ付き合っていないという緊張感が精神を削っていく、なんだか自分でも共感できる気がした。
「けど…心配よね。」
「何が?」
撫子が上を向いて考える。
「今テスト期間でしょ…。本番、大丈夫かなぁ…。」
それに気づいた俺はマズイとも思った。このまま断られたり、テスト期間までに付き合うことが出来なければ…。確実にテストに影響がでる。それだけは絶対に避けたい。どっちつかずが一番最悪なパターンだ。生田よ、落ち込むなよ。
「拓斗、私たちも元のルートにもどりましょうか。」
「そうだな。」
俺たちは生田の後姿をチラッと見てからいつも帰るルートに戻った。
「撫子はテスト大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。上位キープは難しいけどがんばるよ。」
そういって撫子は俺の方を向いてテレ顔で言った。
「ねぇ…抱きしめて。」
「わかった。」
俺はすぐに撫子を抱きしめた。暖かい。ぬくもりを感じるというかなんというか…安心感がでる。撫子もそう思っているだろうか。
「ありがとっ。じゃあね!」
「おう、じゃあな。」
そういって撫子は帰っていった。夕日に照らされた撫子は、よりいっそう可愛らしさが現れていた。




