第五話 第十五部 後ろから、見守る。
「まさかこんなことになるとはな。」
俺と撫子は一緒に帰ることになったのだが、生田が見守って欲しいという理由から後をつけるような帰宅になってしまった。
「やっぱ…私たち、変な人に見えない?」
撫子が俺の袖をツンツンと引っ張っていた。その姿はまるで子犬がねぇねぇと呼んでいるかのような可愛さだった。今すぐ抱きしめてもよかったが、今はそんな状況じゃない。なんとかついていってあげないと。
「二人とも緊張しちゃって何も会話してないね。」
「そうだな。」
俺と撫子は後ろから様子を伺って会話した。
「あ、喋り始めた。」
最初に話し始めたのは生田だった。
「なあ、絵っていつごろから始めたんだ?」
「私は小学1年生のころに美術教室に通い始めたの。そこで描いてみたら、ぜひ絵を描き続けて欲しいって先生が。」
「なるほど。それじゃあ先生にその才能を見出してくれたってことか。」
「うん…今でもあの人がいなかったらどうしていただろうって思ったの。」
生田は関心しながら歩いていた。最初は足がプルプル震えていたが、会話を始めていくと徐々に消えていった。
「私ね…。」
「おう…。(ゴクリ、これって告白なのか、もう来るのか!」
「あんまり友達いないの…男子とも…女子とも。」
「えっ、そ、そうなのか…。」
突然の発言に生田は戸惑う。足元が悪くなると同時にフラつき始めた。期待が外れて力が抜けていっている。
「だから…友達になってくれるかな?」
「あ、ああ! もちろんだよ!」
「本当に!? ありがとう!」
目黒が珍しく力強い声で答えた。その顔には安心の顔があった。




