第五話 第九部 美術の授業でも、本気だす。
俺は撫子と学校に登校した後、何気なく授業をうけていった。そして三時間目、美術の時間になった。
「撫子、行くか。」
「うん。」
そういって俺と撫子は美術室に向かった。美術室には各クラスの絵や美術部の絵が貼ってあった。どれも綺麗な絵だが、やはり撫子の絵を見てしまうと物足りなくなってしまう。これが違うというところだろうか…あ、一つだけ際立った絵がある。といっても目黒だった。彼女の絵も不思議なものを感じるからなぁ。
「えー、今回からは似顔絵を描いてもらいます。二人でペアを組んで行いたいと思います。分かれてください。」
無論、俺は撫子を呼んだ。隣には生田や藤浪たちもいる。もしかして撫子、本気で描くのではないだろうか。
「なぁ撫子。美術の時間でも本気で描くのか?」
「当たり前だよ。絵はいつでも本気で描かないと。」
「マジか…。」
「もちろんわざと下手に見せる描き方もできるよ。」
ソレを聞いて俺はぞっとした。あまりの天性の才能に驚かされてばかりだ。そんなこともできるのか…。
俺は一生懸命撫子の顔を描こうとしている。しかし、どうも顔と目のバランスが上手くいかない。
「なぁ撫子。アドバイスってあるか? 顔と目のバランスが…。」
「アドバイスというより…感覚で掴むものよ。なによりも楽しく描くのが一番よ。」
「そうか…ちょっと撫子の描いているの見せて?」
「いいよ。」
俺は立ち上がって撫子の絵を見た。そこにはまるで鏡で自分の顔を見ているかのような絵が描かれていた。




