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第五話 第四部 アイツには、接点が。
俺は帰っている途中に撫子に生田のことを話すことにした。
「なあ、撫子。」
「なに?」
「俺さっき生田に呼ばれてたじゃん。」
「そうだったね。何を話してたの。」
「あいつにさ、好きな人が出来たらしいのさ。それも本命の。」
「本当! それはよかったよね! それで、お相手さんは?」
そういうと俺はやや上を向いて考えるようにいった。
「相手がねぇ…目黒なんだよ。目黒美幸。」
「あら、そうなの?」
撫子もやや目を点にして俺の方をみた。撫子はおそらく意外だなと思っているだろう。しかし撫子はすぐに俺に笑顔で答えた。
「すごくお似合いだと思う。」
「そうか?」
「うん。聞いたときすぐは意外だねーって思ったけど、よくよく考えてみるとあの性格の女性は支えてくれる男がいるといいね。その…私たちみたいに…。」
「それは俺も思った。かわいいなあ撫子は。」
「う、うるさい!」
「でも一つだけ難点があるんだ。」
「どんな?」
俺は河川敷の川を見てため息をついた。
「無いんだよ。生田と目黒に接点というものが。」




