第五話 第二部 生田の恋は、本気の恋。
「……は?」
「だから! 好きな人ができたんだ。」
生田がモジモジとしながら俺に言う。こいつはいつも好きな人が出来ると友達に言いまくっている性格なんだが、今回は全く違う。この様子だとマジで好きな人が出来たようだ。幸いにも生田はモテる。中学のときは相手にもよるがこいつに告白された大概の女性はオッケーを言っていた。さて…誰を好きになったのやら…。
「それは嬉しいことだな。で、俺を呼んでまで話したいことってなんだ。」
「その好きな相手がさ…。隣のクラスの目黒美幸ってやつなんだ。」
俺はびびった。まさか俺の昔からの知り合い。いや、幼馴染と行った方がよいだろうか。そいつのことを好きになったのか。
「お、お前さ。目黒と接点ってあるか?」
「一度だけなら…でも名前は聞いちゃいねぇ。中学のときにお前と遊んで帰る途中に会って挨拶した程度だ。」
「しかしなぜいきなり目黒を?」
そういうと生田は窓を開けて空を見上げた。
「あいつさ、いっつも一人でいるんだ。お前と同じさ。六道のことを守ってやりたいって思っているんだろ。俺は目黒を守ってやりたいということなんだ。」
案外俺と生田は似ているのかもしれない。ここまで真剣な表情で女性とかかわろうとする生田は初めてだ。
「いままであんなにいろんな女性と付き合ってきたならトークスキル俺よりあるから上手くいくんじゃねぇか?」
「それが怖いんだよ。目黒にはそんな方法では嫌われるばかりだと思う。」
そういって俺の方を向いて生田が握りこぶしを俺に向けてきた。
「頼む、俺に力を貸してくれ。」




