第五話 第一部 生田にも、好きな人ができた。
「ごちそうさま。」
俺と撫子は弁当を食べ終えた。今日も撫子の弁当はおいしかった。とくに卵焼きがおいしい。あきない味ですばらしい。俺も頑張って撫子の好きな食べ物を作らなければ。
「ね、ねえ。白羽根。」
女性の声が聞こえてきた。そこには藤浪がいた。
「ごめんね。ちょっと勉強教えて欲しいんだ。」
「俺が?」
俺は自分のことを指で指したあと、撫子の方を見た。撫子はうなづいて「いいよ。」というしぐさを見せた。
「ごめんね六道。」
そういって俺の机にノートを置いた。
内容は国語だ。選択問題。よくあるパターンとしては回答は文中にあるということだ。そこからどう読み取るかというのがキーポイントになる。そして選択肢の引っ掛けに気をつければ問題ない。筆者が何を言いたいのかを考えればとけるはずだ。
…数分で解けた。そして説明のしかたも上手くできたようだ。
「ありがとう! できればさ…数学も教えてくれる?」
数学、俺の苦手分野だ。というかこれは撫子に聞くのが良いのだろうか。
「撫子。数学教えられる?」
「えっ? 私?」
撫子は驚いた。しかしすぐに筆箱からペンをだすと、
「藤浪、机にノート置いて。」
やる気満々だ。それと同時に生田が近づいてきた。
「撫子、ちょっと拓斗借りていいか?」
「いいよ。」
そういって俺は生田のいるほうに向かった。そして廊下にでて端によった。
「あのさ、お願いがあるんだけどさ。」
「なんだ?」
すると生田が恥ずかしそうな顔をして俺に言った。
「俺、好きな人…出来たんだ。」




