第四話 第十二部 観覧車の上で、初キスを。
撫子が描き終えると、夕暮れが近づいてきた。もう少ししたらデートもおしまいだ。そして完成した絵をみるとなんと3Dであるかのようなすばらしい絵だった。
「やっぱり撫子ってすごいよな。」
「本当に? ありがとう。私、絵描いているときはいつも黙っちゃうんだけど大丈夫だったかな?」
「うん。見ているだけでもすっごく楽しかったぜ。」
そういうと撫子は微笑んで俺の手を掴んだ。
「もうそろそろお帰りかな?」
「いや、撫子にもう一つ連れて行きたかった場所があるんだ。」
「なに?」
俺は撫子の手を握って歩いていった。撫子は最初、どうしたんだろうという顔をしていたが、近づくにつれて笑顔に変わっていった。5分ほど歩くと観覧車の乗り口に到着した。
「ここからの景色綺麗だからさ。一緒に乗ろうぜ。」
「うん!」
俺と撫子は観覧車に乗った。
「…」
「…」
終始無言が続いた。俺は何とかお話しようと口を開いた。
「あのさ、今日のデート楽しかったか?」
「うん。楽しかった。」
「よかった。」
「私ね、拓斗といるとドキドキするの。」
「ありがとう…。」
「あっ、見て!」
俺が撫子の向いたほうを見ると、綺麗な夕焼けと共に町が照らされていた。
「綺麗だね…。」
「うん。」
なんてロマンチックな雰囲気なんだろう。思わず見とれてしまいそうだ。
「写真とっておこう。」
そういって撫子は写真を一枚、パシャと撮った。もうそろそろ頂上だ。ここしかチャンスはない。
「な、なあ撫子。」
「なに?」
俺はゆっくりと撫子の頭を抱き寄せるように触った。
「えっ?」
俺は撫子の顔にゆっくりと近づく。前みたいに撫子は抵抗していない。良い…のだろうか。俺の行動に答えるように撫子も俺の背中に手をかけた。そして…………。
綺麗な夕焼けと共に、俺は初キスをした。




