第四話 第七部 写真の後には、ジェットコースター。
もぐもぐとサンドウィッチを食べていると撫子がふとデジカメをとりだした。
「ねえ、ちょっと撮りたいものがあるのだけど良い?」
「あぁ、かまわないよ。」
そういって撫子がカメラの電源を入れると俺に向けて構えた。
パシャ
え? 俺撮られた?
「えっ、え? 俺を撮ったの?」
「うん!」
撫子は俺にデジカメを渡して撮った写真を見せてくれた。
「すごく綺麗でしょ。拓斗と後ろの風景がマッチしていたから撮ったの。」
たしかに綺麗に撮れている。撫子って絵を描くだけではなく、写真も上手に出来るんだな。
「それに…拓斗がカッコよかったから。」
そういうと撫子は自分のバッグで顔を隠した。照れるなら言うなよ。というか、可愛いから許す!
「さてと。」
食べ終わって立ち上がると元気な声で、
「遊園地だぁ!」
撫子がジャンプするように立ち上がった。おいおい、子供じゃあるまいし。
「拓斗! いっぱい遊ぼう!」
撫子は一人でテクテクと歩いていった。俺を置いてかないでくれ。俺が走って追いかけると、撫子は目をキラキラさせて立ち止まっていた。俺は撫子の視線の先にあるものをみた。そこには…。
「おい、これって…。」
「そう! ジェットコースター!」
まさかジェットコースターを選んでくるなんて予想もつかなかった。しかもかなりヤバいやつだぞ、これ。
「私、こういうの大好きなの!」
「へ、へえ。意外じゃん。」
俺は声が震えていた。さらに裏返っている。足もガタガタしている。冗談じゃねえ、五回転もするジェットコースターなんて聞いたことねえよ。頭のネジがすっとびそうだ。
「もしかして拓斗、怖いの?」
「あ、ああああ? いや、全然全然。」
撫子はクスっと笑って俺の手を掴んできた。
「ほ、ほら。さっき動物園の方にも動物たちと触れ合えるコーナーがあっただろ。あそこ行こうぜ。」
「さっきみたら3時からだったよ! さささっ、乗ろう乗ろう!」
あ、悪魔だ。なんて怖いもの知らずなんだ。いつもの雰囲気とは全く違うじゃないか! はっ、もしかして。これが素の撫子なのか。これは俺がいままでの撫子を呼び覚ましたってことになるのか!? それはそれで嬉しいが…ちょっとこれは勘弁してくれ。




