第四話 第二部 撫子は俺のことを、寵愛している。
「えっへへ。」
今日の撫子は俺が買ってあげた服を着ている。やっぱり似合うじゃん。
「ど、どう?」
「あぁ、似合ってるよ。」
「ありがとっ。拓斗のこと寵愛だよ!」
「ちょ、寵愛?」
「特別に愛するってことっ!」
「おいおい、古文をここで使うなよ。勉強しに来たわけじゃないんだし。」
そんな会話をしながら俺たちは動物園の中へと入っていった。さすが祝日、そしてゆったりできる動物園なだけあって、老若男女を問わずに楽しめる場所だ。客も多い。入るとすぐに見えてきたのはパンダコーナーだ。
「パンダがいるんだ! 今なら空いているから見に行こう!」
「いいよ。」
撫子が早歩きでパンダのいるところまで歩いて行く。俺は撫子にやや引っ張られぎみについていく。でもこの撫子が楽しめているのが一番嬉しい。
「ねえ拓斗。あのパンダ、ゴロゴロしてるね。」
「けっこう動きはトロトロしてるのかな。」
しかしパンダはゴロゴロと動きながらも俺たちを歓迎しているかのようにニマァとこっちを向いて笑った。
「あっ、パンダが笑ってる!」
撫子はそのパンダをみて小さくジャンプした。なんか子供っぽいところもすごくかわいい。
パンダコーナーを出るとまた目の前には乗馬コーナーがあった。
「あ、馬だ!」
「アレは白毛だな。」
「違うよ、アレは芦毛っていうの。」
良く見ると黒い色も混じっている。真っ白ってわけでもない。なるほど、さすが撫子って所も思えた。




