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第二話 第六部 俺の財布から、諭吉が飛びました。
ガラッ
試着室から六道が出てきた。なにやら困ったような顔をしている。
「でもこの服高いよ?」
六道が値札を見せてきた。一万円と一万二千円、合計二万二千円だ。今あるお金で買えない値段ではないが痛い出費だ。でも六道のためを考えたら…。よし、覚悟を決めた!
「六道、全部おごるよ。」
「いや! それは悪いって!」
「いいのいいの。」
そういって俺は六道の手に持っていた服をサッと取ってレジに向かった。
「ありがとう。」
六道が小さな声でしゃべった。「ありがとう。」その言葉を聴けるだけでとても嬉しい。そのためなら俺は…。なんでもしてやる!
…………
あの後六道の甘えもあってか、アクセサリーや帽子なども購入し、四万円強はすっ飛んでいった。何でもって考るのはまだ早いか。そしてもう3時半、すこし小腹が空いてきた。六道は何が好きなのだろうか。
「なあ六道。」
「ん? 何?」
「おなかすいた?」
「んー、ちょっとね。」
「じゃあなにか食べようか。何が食べたい?」
「私ね、クレープ食べたい!」
「お、いいね。ここに確かフルーツとクレープの組み合わせに定評のある見せがあるんだ。そこに行かない?」
「フルーツとクレープかぁ、いいね!」
やった喜んでくれた。六道はウキウキさせた様子で足早に歩いていった。ちょっと、おいてかないでくれ。




