第二話 第二部 話題のやり取りは難しく、笑顔が卑怯。
「それじゃあ…いこっか。」
「おう。」
六道が声をかけると俺たちは駅の改札を通っていった。今回の目的地は隣町の夏葉市。夏葉駅までは上代線で2駅。到着したらワーキングアウトレット夏葉店で買い物だ。そこで六道に服を買ってあげるんだ。それで…。
「ねえ白羽根くん。」
「んあ?」
六道はぼんやりと考えていた俺を呼んだ。
「どうしたの?」
「あ、いや。今日のデートでどこに行くかを頭でまとめていたんだ。」
「そんなに考えてくれてたんだ。ありがとう!」
うわっ、その笑顔やめてくれ。めちゃくちゃ可愛すぎてたまらないだろ。そんなことを考えているうちにちょうど電車が到着した。俺たちは電車に入ると二人で椅子に座った。この時間帯はけっこう混んでいると思っていたが、意外と空いていた。別の駅から急行で行く人の方が多いのだろうか。
「あ、あれ。」
俺はふと声をだした。俺が向いている方には六道のペンネーム、無光闇無の名で描かれた絵の宣伝があった。今度は美術展の画像だった。
「さすがだね。」
俺は六道の耳元で囁いた。すると彼女はすこしうつむきながらうなずいた。そうか。絵のことはここであまり話さないようにしなければ。彼女のことを考えたらそれしかない。
「なぁ六道。動物って好きか?」
「えっ? 私?」
しまった、いきなり話題を変えて反応できるわけがない。何バカやっているんだ俺は。
「好きだよ!」
「本当に!?」
うわっ、結果オーライ。何とかなった。ちゃんと話すことは状況と場合を考えなければ。
「今度出かけるときあったら一緒に動物園いかないか?」
「いいの!? ありがとう!!」
だからその笑顔やめてくれ、抱きしめたくなる。というか俺変態かよ!!




