第七話 第十三部 トークショーの終わりと、撫子の特権。
俺は撫子が楽しんでヴィクトリアと会話しているところを見ていた。そしてそのトークショーは大いに盛り上がった。絵の描き方についてや背景とのバランス、さらには動画と絵の関係についても熱く語っていた。もちろんヴィクトリアはこの話になると英語で話していたけれども、彼女も熱く語っていた。やはり同じ世界で生きているもの同士、語りだせばどこまでも話し続けているのだろう。それが本当に好きになった人、別の言い方をすればオタクと呼べる人たちだけが出来るものなのだろう。俺は話の内容は理解できないところもあったが、感動した。目黒も感動していた。会場の皆も…。そういう力が、撫子とヴィクトリアにはあるのだ。
「ミナサン、アリガトウゴザイマシタ! マッタネー!」
そういってヴィクトリアが手を振ると会場を後にした。そして撫子は俺たちの呼ばれたところから戻ってきた。
「いやーびっくりした。」
「さすが無光闇無。」
「そ、そんなことないよ。」
そういって俺たちが戻ろうとすると自然と回りの人たちが道をあけてくれた。いや、嬉しいけど…さすがにそこまでしなくても…。
「なあ、アレって本当に無光闇無か。」
「間違いない……。どうしても言わなきゃ気がすまねぇ。」
「殴りたいぐらいだぜ。」
「おいおい、それはやりすぎだって…。でもチャンスはある…。」
「俺たちの夢を壊しやがって…クソが。」
「あ、ここ! 一緒に買わない! kaReNも!」
そういって撫子は俺たちをひっぱっていくかのように次のブースに移動した。企業ブース、早めにいかなければ普通は購入できないものまであるはずなのに、無光闇無という名前を出すだけで何でも買えてしまう。すげぇよ…。でも…これって本当に良いのだろうか…。嬉しいけど、それが特権ってやつなのか…。




