第七話 第十二部 日本語喋れて、目つき変わって。
あたりがざわつく。俺と目黒は目が点になっている。そして撫子がヴィクトリアに怒っている。
「私の出る幕なんてないでしょ! ちょっと。」
「いいじゃんいいじゃん。仕事一緒にしたんだしー。」
というかアイツ、日本語喋れるのかい! カタコトだけど喋れてる。だったら最初から日本語でいけよ!
「ミナサーン! コノヒトハ、ムコウアンム。私と一緒ニ、このゲームノ、絵ヲ、担当してくれまシタ。」
その瞬間、会場のざわつきが拍手喝采に変わった。
「無光闇無ちゃん! さすがだぜ!!」
「二人って競演してたのか! さすがは美術の天才!」
す、すげぇ。俺の彼女ってこんなにすごいのか…。改めて俺、尊敬した。そして…もっと好きになった。
「挨拶っ!」
ヴィクトリアが無理やりマイクを撫子に渡す。そして撫子はおどおどしながらもマイクをしっかりにぎった。
「ど…どうも…。無光闇無です…。」
ワアアアアアアアア
「ひっ。」
撫子がものすごくビクビクしている。いくらなんでも緊張しすぎだって。ほら、足まで震えちゃってる。どうにかしろよヴィクトリア。俺にはここから何も出来ないのだから。
「じゃあ…無光闇無! 今回の作品についてですガ、私と競演ということデ、どのような点に気をつけまシタカ?」
ヴィクトリアが撫子に質問を問いかけた。すると撫子は急に目つきを変えて、真剣な表情に変わった。
「えっと、今回の作品に関してなのですが。タッチが絵画風だったので、ペンタブで描く上でも絵画風にするために…。」
す、すげぇ。なんで絵の話になるといきなり緊張がほぐれて話せるのだ? やっぱり好きなことに関してはなんでも大丈夫になるものなのか。すげぇものだぜ。好きになるってのも。
「白羽根くん、さっきから驚いてばっかりじゃない?」
「だってすげぇだろ! 目黒はすごいと思わないのか?」
「すごいと思うよ。でも彼女にとってみれば当たり前。私もそのような光景は何度もみたことあるから…。さすがにあの呼び出しはびっくりしたけど…。」




