第七話 第十一部 ヘイカモン、無光闇無。
「ねぇねぇ、あのおじさんのマイクの持ち方見て。」
目黒が撫子と俺をチョンチョンと指先で呼んだ。そして通訳のおじさんのマイクを良く見た。アレって…!?
「小指…立ててるな。」
「でしょでしょ! 撫子ちゃんも驚かない?」
すると撫子はため息をついてヴィクトリアの方を向いた。なんでため息なんかついているのだろう。
「あの人とは何度か会ったことあるし、いつもあんな感じだよ。専属の通訳なの。それより私はヴィクトリアのお話が聞きたい。」
「えへへ、ごめん。」
目黒が頭をかきながら苦笑いした。
「ふふっ、まあ私も最初気づいたときは笑ったけどね。」
そういって撫子も笑いをこらえながらヴィクトリアのトークショーを聞いていた。それにしてもなにかと楽しそうに話す子だなぁ。撫子も…原点をたどればあんな風に楽しんで絵を描いているのだろうか。そして絵の話になると楽しんでいるのだろうか。どうなんだろう…。
「if… Oh?」
突然ヴィクトリアが何か見つけたかのように頭をかしげた。
「ニッシシシ。」
いきなり笑うとニッコリとしながら歩き始めた。しかも俺たちのところに向かって。…ん? 俺たちのいるところに何で来るんだ? ちょっとまて、ドンドン近づいてくるのだが。そしてヴィクトリアは突然足を止めた。
「ヤッパリー!」
片言の日本語で話し始めると指をこちらに向けて指した。
「ヘイ! カモン! ムコウアンム!」
「えぇっ!?」
撫子が突如甲高い声をあげて驚いた。え? どういうことだ? 無光闇無って、撫子のことか? なんでいきなり撫子の名前が呼ばれたのだ? 周りの人たちはこちらに視線を一気に向けてきた。ざわつき始める。そうだよ、いきなりトークショー中に何やってるんだ?
「ちょっと…ヴィクトリア。今はあなたのトークショー中でしょ。」
ゆっくりとした日本語で撫子がヴィクトリアに話しかけてくる。
「ゲストゲスト! さぁさぁ!」
「わぁあ! ちょっと!」
撫子はニコニコと笑っているヴィクトリアに手をとられて、舞台の上に立たされた。いったいどういうことだよ。
今回は輪遊さんに描いていただきました!ありがとうございます!
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