第七話 第十部 撫子とは違った、人へのひきつけ。
「いぇああああ!!!」
会場が歓声で沸きあがる。すげぇ、さすがは有名な絵師さんだ。そしておじいさんも一緒に入ってきた。アレは…通訳?
「コンニチハー!」
「ちわああああああああ!!!!」
うわお、すげぇ声援。後ろを振り向くとものすごい人数だ。見切れてないほどの人数が集まっている。これって他の企業サークルに迷惑かかっているのではないかと心配になってしまうほどだ。でもそれだけ彼女にはひきつけられるようなものがあるのか…。なんか…似てるな。撫子に。
「ヘーイ! My name is Viktoria Löfgren! ヨロシクー!」
元気な声で挨拶をした。笑顔で手をブンブンと振っている。そして会場の部分が暗くなっていく。
「Please look at it!」
彼女がバッと後ろに手を当てると映像が始まった。そして何が始まるかと思ったらゲームのムービーだった。
「これよこれ!」
目黒がわくわくしながら撫子の肩をポンポンと叩く。そしてものすごい綺麗な風景画が映し出される。まるで立体だ。そしてこれはヴィクトリアが描いたものだろう。この絵の世界に引き込まれる雰囲気は撫子と全く同じ感じがする。やっぱり似ているなと思ったけれども、タッチや繊細さが違う。細かいところまで見ると撫子とは対照的な描き方になってくる。
「すごいな…。」
撫子の口から感動の声がもれた。すごい絵を描く人にとってみても、やはりヴィクトリアの描いた絵はすごいものなのか。改めてそのすごさを実感した。
「Thank you! Ah~ ……。」
映像が終わるとヴィクトリアはなにやら話し始めた。ごめん、俺には全く何を言っているのかわからない。横を向くと撫子はしっかり聞き取れているみたいだが、目黒は頭の上にハテナマークが見えていた。後ろを振り向いてもほとんどの人が日本語でお願いしますといわんばかりの表情だ。そしていい終わると隣のおじいさんが突然口を開いた。
「こちらの絵は20××年に発売される新作のゲームです。この背景の絵と3Dを組み合わせた技術は…。」
よかった、訳してくれるのか。これで何を言っているのかがわかった。とりあえず、今回の絵と映像技術のすごさを伝えているのだろう。というかこんな若い子がゲームとかの業界にすでに手を出しているのかと考えるとぞっとする。世の中にはすごい人がたくさんいるんだなと感じた。




