第七話 第一部 戦場に、これから向かいます。
「おはよー。……ねっむ。」
「おはよう。寝不足なの? だめだよ、体調はしっかりしてかなきゃ。」
「いやちげぇよ。こんなに朝早く起きるのは久々だからさ…。」
おれは大きなあくびをしながら撫子のいるところに到着した。撫子は俺が前に買ってあげた服を着ている。いよいよ今日、コミケで撫子の販売が始まる。朝の五時、コミケ会場までは二時間かかるのだ。
「チケット持った?」
撫子が俺にチケットの確認をする。俺はバッグからチケットを取り出して見せた。特別車両に乗るためである。
「おっけー。それじゃあ行きましょうか。」
しかし撫子の様子を見て俺はふと思った。
「撫子、そんなに荷物少なくていいのか? 販売するものってどうやって持っていってるんだ?」
「ああ、心配しないでいいよ。販売の仲間の人が車で先に持っていってくれるから。」
それを聞いて俺は少しホッとした。そして撫子と共に電車に乗った。夏葉駅から急行に乗って途中で降り、そこから特別快速に乗ってあとはかもめ線に乗ればコミケ会場はすぐそこだ。長い距離を進むため、俺は電車の中でも休めるようなグッズを用意した。
「目黒ちゃんとは夏葉駅で合流ね。」
「生田は部活だろ。大変だよなぁ。」
そう、今日は目黒も今日販売である。実は俺はコミケ初である。だから撫子と目黒は先輩だ。いや、大先輩と呼ぶべきであろう。俺は「戦場」とも呼ばれるコミケに出陣することになった。バッグからパチャパチャと四本のスポーツドリンクが音を立てていた。




