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少年と化物と人間の物語1

多少の流血表現があります。また、妖怪と人間の立ち位置が逆転していることも注意書きに含ませていただきます。ただし、そう激しい差別を受けているわけではありません。

 大烏十六夜は噂話が好きな少年だ。


 語られる噂の種類は問わない。同級生の誰其が某と付き合い始めたらしいという小規模な話題から、なんとかいう国が戦争を起こそうとして隣国に鎮圧されたなどという世界規模の話題まで、ここ老樹町で囁かれる噂話で彼の知らないものは無いとさえ言われるほどに、大烏十六夜という少年は噂話ばかりを追いかけて生きている子供だった。

 そんな手当たり次第の印象を受ける彼だが好みというのはあるもので、特に好んでいるのが都市伝説の類いだ。理由を問えばこう返ってくる。大抵の出来事というのには終わりがあるから、結論や結果を知ればその話題の追求はそこで終わる。けれど都市伝説には終わりがない。流行り廃れはあるけれど、明確な答えが出ることなどは無い。そこが追いかけ甲斐があって好きなのだ、と。


 中でも一等好きなのが、地球とかいう異世界に関わる都市伝説だ。


 この世界とは近いがずれた軸に存在しているとされるその惑星には、なんと人間しか知的生命体が存在しないらしい。此処リオネではまったくあり得ない世界だ。そもそもの話、人間自体知っているヒトは少ないだろう。いや、自分達の遠い祖先ではあるし、授業で少しは習うから名前くらいは知っているものだろうけれど、きっと大人になるうちに忘れてしまう沢山の知識のうちのひとつでしかない。


 それから、地球には魔物が出ないらしい。

 出ない、というか、いないらしい。

 だから未開拓の空白地帯なんて無くて、どこもかしこも誰かの土地なんだそうだ。

 龍とか鬼とか獣人とか妖怪とか悪魔とか、そういうのは全部地球では絵空事だという、それこそ嘘みたいな世界なのだという風説である。


 そんな不思議な世界から、時々この世界へ来てしまう人がいるらしい。

 その人達は、渡来人、とか、地球人、とか呼ばれていて、大抵の先進国では渡来人を見つけると、保護して住民登録を行い、この世界に紛れさせる。渡来人の方も、自分は異世界から来ましたと進んで名乗ったりしないだろうから、一見して区別がつかないし、そうなると探すことも難しい。

 つまり、電車で隣に座っていたヒトが、今擦れ違った誰かが、じつは人間かもしれないのだ。そう考えると、十六夜少年の胸はどんどん高鳴って、もうどうしようもなくなるのである。


 ところで昨年、この世界でひとつの国が滅んだ。

 ソニア共和国、という、うんと東の大陸にあった小国で、これがなんと人類至上主義を掲げる独裁国家だったらしい。人類、といえば二足歩行するヒトガタの知的生命体全般を指す単語だが、この場合は人間だけという意味だそうで、つまりソニア共和国は地球を目指した国だったのだろう、というのがTVやネットでの共通の見識である。そして此方はネットでのみ囁かれている噂話だが……ソニア共和国の首相は、実は渡来人だったのではないか、という。

 首相は騒動の折に自害しており真相は墓の中だが、関心を寄せる殆どのヒトがそうであろうと認識している。かくいう十六夜もそのひとりだ。きっとその人は、この世界に自分の祖国を創ろうとしていたのだ。けれど少し行きすぎてしまって、差別主義になってしまって、それでバカなことをやらかしてしまったのだろう。


 世界征服、だなんて、今時ライトノベルやアニメでもやらないのに。


 あんまりにも危険な思想で動いていた国だから、国際連合が介入して国そのものを解体してしまった。もちろんそれだけで解決するものではないし、一年くらい経った今も物議を醸しているけれど、とにかくソニア共和国という小国が去年地図から消えたのだ。

 しかしそれを認めていないひと達というのはいる。筆頭がソニア共和国の残党だ。主に軍人や科学者、魔導師達で、彼らは国の軍事機密のほとんどを持ち出して、今も世界中で息を潜めているという。世界にとって非常に危険な者達だ、というのが警部を勤める父親の弁だ。


 そう、その残党だ。

 真っ黒い翼で悠々と風を切りながら、十六夜少年は胸を躍らせる。

 まだ冬の気配が濃い早朝の澄んだ空気も、少年の熱を冷ますには足りないらしい。彼は翼で一度空を叩くと、起きたときからもう幾度目だろうか、父親との会話を想起した。


 ソニア共和国の残党がこの街に潜伏している――


 彼の父親はそう告げた。しかも正体不明の兵器を所有しており、目的も不明。警察は今、その連中のせいでてんてこ舞らしい。それがもう二週間から続いているという。あまりにも手懸かりが掴めないものだから、とうとう警察もその上にいる連中も自分達だけでどうにかしようというのを諦めたようで、武器を持った密入国者達のことを今朝から――話したその時点でいうと翌朝から――メディアに流し情報提供を呼び掛けつつの炙り出し作戦へ移行したと言う。

 彼の父親は息子の利点をよく理解していた。そして息子もまた父親の意図を正しく理解出来る子供だった。つまりより効果的に噂を拡散しろということだ。メディアを介しては問題のある情報までも織り混ぜて、少年の発信する噂はなるほど千里を駆けることだろう。それを考えるだけで、十六夜少年の胸は更に高打つのだ。


 抑えきれない興奮に追い立てられながら、十六夜は校庭へ滑空した。徒歩で登校する生徒達の頭上を滑り、人影の途切れた場所を見つけて降り立つ。まだ空中で彼は彼のもうひとつの姿へと変化した。羽毛と同じ真っ黒い短髪に同色の瞳、発展途上の手足を制服から覗かせて、靴底が勢い余って地面を擦る。


「こらー! 飛んで登校するヒトはプールのある方で降りなさいって先生いっつも言ってるでしょう。ぶつかったらどうするの!」


 立ち上がったところですかさず校門の方から教師の叱咤が飛んできて首を竦めた。確かにそういうふうに決まっているけれど、そこから下駄箱のある正面玄関まではけっこうある。今日はその手間が惜しい。


「ごめんなさーい! お早うございます未希先生!」

「はいおはよう、転ばないようにね!」


 女教師の忠告は彼が走り出したからだろう。はーいと返事をした顔はもう前を向いている。葉っぱの髪の少女や尖った耳の子を追い越し、狼からヒトガタへ変化する少年を迂回して、自分の下駄箱の前へ。


「あ、十六夜君おっはよー」

「あぁ、玉緒ちゃん、おはよう」


 声に振り向けば、橙色の耳がひょこんと揺れる。

 竹中玉緒。クラスメートの女の子だ。その隣で同じくクラスメートの河野ぬいが「おはよう」と呟く。それにもおはようと返しながらも視線はついその額へ行く。珊瑚のような太く枝分かれした一対の角は、片方だけでも彼女の頭半分ほどはあって、十六夜などはいつ見ても立派な角だなぁと思う。こんなに小さいうちからこれほど太く大きな角が生えることは希なのだそうで、まぁそもそも龍族自体が結構珍しいらしいが……そのことも含めた諸々の事情で、産まれたときから強い力を持つ彼女は水龍族期待の星だと聞いている。対して親友の玉緒は歴史ある妖狐の家系の出でありながら、狐火が出せないし、学業の方も下から数えた方がうんと早い。ただ身体能力はとても高くて、それに自分の正義にいつも真っ直ぐで、そういう所は密かに格好良いと思っている。


「ねぇ、今日はなにか面白い話ある?」


 赤金色の狐目を輝かせた玉緒の言葉に、十六夜はもちろんと返そうとして逡巡した。ふたりに先に話してしまうのは勿体無いんじゃないだろうか。どうせならば教室で大勢のクラスメイトに囲まれて披露したい。


「えーっと……教室で話すよ。とびっきりのネタだからさ」

「えぇ~、今じゃダメなの?」

「ダメだよ、教室でね」


 耳と尾の垂れた玉緒にそう返したところで十六夜も上履きに履き替え終わり、三人は並んで歩き始めた。並んで、と言っても実際肩を並べているのは玉緒と十六夜で、ぬいはその間を一歩遅れてついて来ている。ぬい曰く三人並ぶと邪魔になるから、だそうな。

 目的地である六年の教室は正面玄関から一番遠い三階の東端にある。この場合の東は方位ではなく正面玄関から見ての位置で実際の方角は南西だったりするのだが、学校見取図にも東棟と書いてあったりするからこの事実を知るものは案外少ない。どうでもいいからと切って捨てればそれまでのネタではある。

 まぁ兎に角、教室に着くまでに大分――と言っては大袈裟だが――間があるという事で。階段を登り始めたところで辛抱堪らず十六夜は「ねぇ」と口火を切った。


「今朝のニュース、観た?」


 教室まで話さないと言いつつ、ついつい話題は人間のことになってしまう。しかし十六夜の期待を裏切り、ふたりは揃って首を左右に振った。


「ううん。うち、朝はアニメ観るから」

「家はTV自体あんまり観ないから」

「そ……っかぁ……」


 取っ掛かりを失って十六夜の眉がハの字に下がった。これはやはり教室までおあずけかぁと、自分で言い出しておいて残念がる。

 ああ、とぬいが不意に声をあげた。


「もしかしてアレ? 密入国者」

「えっ」


 なんで知ってるの、と振り向けば、新聞は毎朝読むから、との答え。


「なになに? 面白いこと?」

「どうかなぁ。まぁ目新しいと言えばそうだけど。武装した集団が、千葉辺りから日和国に密入国だって。潜伏してるのは関東の何処からしいよ」

「ぶそー? せんー……ぷく?」


 玉緒はあまり本を読まない。


「つまり、武器を持ったひとたちが、パスポートとかも持たずに船を使ってこっそりこの国に勝手に入って来ていて、関東のどこかに隠れてるの」

「へー」

「……玉緒ちゃんあんまり分かってないでしょう」

「わ、わかってるよ! なんかええとマンガみたいなことになってるんだよね!! 私もニュース観ればよかったなぁ」


 慌てて捲し立てたあとで視線を泳がす玉緒にふたり揃って苦笑する。まぁいつもの事だ。


「残念がらなくっても、どうせ当分はこの話題で持ちきりだと思うよ」

「え、なんで?」


 何故ならこれが警察の罠で、これから毎日記者会見を開いてこの話題を長引かせる予定だからだ。……と、説明しようとして十六夜は言葉に詰まった。さすがにこれは広めて良い内容ではない。


「ええと……」

「そりゃあ最近はずっとたいしたネタが無かったから。こんな特ダネ食いつかない筈がないよ」


 答えたのはぬいだった。


「そうなの?」

「そうなの。この間なんて、ソニア共和国の話題が一面にあってびっくりしたよ。もうじき一年が経つから、って。丁度一年ならわかるけどさ。話題が無いのバレバレだよね」


 ソニア共和国の単語に一瞬ぎくりとしたが、それならば十六夜も読んだ記憶がある。確か四日ほど前の朝刊だ。内容は――


「新事実発覚! ソニア共和国の人造人間計画!! ……とかいう、アレだよね」

「そう、それ。びっくりしたよ、配達員さんがカストリ誌と間違えたのかと思っちゃった」

「カス取り?」

「大衆向けに書かれた信憑性の無い娯楽雑誌……って言ってもわかんないよね」


 うん、と玉緒が恥ずかしげもなく頷いた。十六夜は頭を掻く。


「何て言うかなぁ……」

「ようは好き勝手根も葉もないことを面白おかしく書いた記事ばっかり載ってる、録でもない雑誌だよ。それくらい妙なことって事。こんなの普通は一面記事になんかならないよ」

「ふーん?」


 わかったようなわかっていないような恐らくは理解できていないだろう玉緒の相槌に、またふたりは揃って苦笑した。これでは、玉緒は脳味噌まで筋肉で出来ている、という同級生らの悪意無い陰口も反論できない。


「あ、でも人造人間は知ってるよ。ホム……なんとかっていうやつでしょ。漫画で読んだことある」

「ホムンクルス? 確かに人造人間といえばホムンクルスのことだけど、ソニアで造っていたのは本当の人間だから少し違うよ」

「本当の……ニンゲン? なにそれ、どう違うの?」

「ええっと……」


 どう説明したものか。助けを求めるようにぬいの方へ視線をやれば、爬虫類に似た金色の瞳が熟考する素振りで視線を泳がせた。踊り場を曲がりながら小さな唇が開く。


「ホムンクルス、っていう単語は"小さい人"という意味なんだけどね、これは最初の頃はホムンクルスってフラスコの中でしか生きられない小人だったからなの。だけどうんと昔にいた錬金術師の姉弟が、フラスコの外でも問題なく活動出来るホムンクルスを開発して、今はそっちのレシピが主流なのよね。でも、どんなに改良しても、ホムンクルスは造られてから死ぬまで子供の姿のままで、大きくはなれないの。……ここまでわかる?」

「あー……なんとか……?」


 わかっていなさそうだ。


「兎に角、ホムンクルスっていうのは背丈が小さくて、確か寿命も一週間から十年前後くらいで短いの。だけどソニア共和国で造られていたのは五十年以上も生きて、成長も老化もちゃんとしているんだって。だから、本物の人間。新聞を信じるなら、だけど」

「えぇー?」


 十六夜を追い越した玉緒の脚が軽快に階段を上りきる。廊下を挟んだ先の壁には窓が並んでいて、そこから差した朝陽が、石造りの建物内にまで燦々と光を注いでいるものだから、視界に入ったその眩しさに十六夜は眼を細めた。その間に少女は廊下の、丁度窓の前まで躍り出ると、制服のスカートを翻しながら身体ごと友人らを振り返る。窓の向こうには代わり映えの無い青空が広がっていて、日差しを返して玉緒のオレンジの髪が、黄金のような黄色い光で縁取られた。

 ――玉緒に限らず生まれついて色鮮やかな髪の者はこの世界に多い。例えばぬいの髪も濡れたように光る黄緑色だ。対して十六夜の短髪は墨汁でも垂らしたような真っ黒で、それは鴉天狗の家系に生まれついたのだから仕方がないのだけれど、実際少々妬ましかった。

 目を逸らした十六夜の内心など知らず、玉緒は陰の掛かった顔をこてんと傾ける。


「老化って、年寄りになるってことだよね。たった五十年で? もう?」

「そりゃあ私たちからすれば五十年は短すぎるけれど、でもこれが本当ならとっても画期的な事なのよ。今のホムンクルスは、製造された時点で材料になった体液の持ち主と同じだけの知識を持っているから、研究者達の助手として重宝されているのだけれど、短命なのがネックだったのよね。その問題が一気に解決しちゃうかもしれないんだもの。せんせーしょなるだよ」

「そんなに都合のいい話じゃないよ」


 呟いたのは十六夜だ。なんとなく拗ねたような声音になってしまって顔に朱が昇る。ふたりにもそういうふうに聞こえただろうかと狼狽し、意味もなく視線をさ迷わせていたところへ、同級生らがじゃれながら廊下を駆けて来た。猿やら犬やらに似た妖獣の係累の子達は、慌てて脇へ寄った十六夜らに目もくれず、きゃらきゃらと愉しげに笑いながら目の前を駆け抜けてゆく。

 これ幸いと俯いて深呼吸すれば、その間に彼らは騒ぎながら競うようにして、開け放たれた窓から飛び出して行ってしまった。窓から出入りしたら先生に怒られるのに、と思ったけれど、そんなことを気にするならばそもそも廊下を走ったりしないだろう。だいたい、余程真面目な子でもない限り、そんな言いつけは先生の前でぐらいしか守っていやしない。かくいう十六夜少年だってそんなひとりなのだから、何ら言えた義理ではないと肩を竦めた。


「どういうこと?」


 唐突に、開いた距離を埋めながら尋ねられた言葉に、どきりと心臓が跳ねた。小首を傾げるぬいに、直前の会話を思い出す。

 小さな劣等感はもうすっかり隠せている。……はず。


「その……ネットで調べた話なんだけど、ソニアの人造人間は生まれたときには知識を持っていないらしいよ。赤ん坊なんだって」

「ってことは……やっぱりホムンクルスとは根本的に違う? だから技術の応用も難しいかも?」

「うん、そう言われてる。新聞にも、製造方法も過程も、従来のとは全然違うらしいって書いてあったし。だからそいつはやっぱり人間なんだよ。表記も、人造人間、だしね」


 人間の国で人間に造られた、人間。

 妖者と混ざる以前の人間の寿命は八十年程度だったと、ネットだか書物だかで見かけたことがある。だから五十を過ぎて既に老化が始まっているならば、実に人間らしい出来であろう。――なんて、偉そうに思ってはみるが、十六夜は当然ながら本物の人間とまみえたことなど無く、だから、想像のなかでその人造人間の姿は不定形に定まらず、それどころか男になったり女になったりそのどちらでもない何かになったりと忙しない。そんな想像の元になっているのは、どれもいつか学術書やらの挿し絵で見た人間のイラストで、それには厚みも表情も無くて、だからどんなに懸命に考えてみても、どうしたって現実味が伴わない。

 そんなふうに想像すら上手く出来ないけれど、それでも、だからこそ、少年は人間に焦がれていた。いつか本物の人間に逢えたら、と、想うだけで胸が熱くなる。

 だけど、と、ぬいが十六夜の想像を遮った。


「ソニア共和国って小さな国だったじゃない。本当に、そんなすごい技術を持っていたと思う?」


 どうやら少年が想像も出来ない人間の姿へ想いを馳せている間に、少女はずっと熟考していたらしい。そして確かにその疑問は尤もで、十六夜もううんと頭を捻った。


「さぁ、どうだろうね……でも」


 世界征服を本気で企んでいたようなメチャクチャな国だったからもしかしたら。

 そんな十六夜の答えは玉緒のタックルに遮られた。左腕をしっかり捕まれている。見ればぬいの右腕もがっちり抱え込まれていた。


「もう! ふたりとも教室通りすぎてるよ、難しい話ばっかりしてるから!」


 怒り顔での言葉に慌てて振り返れば、成る程目的地を十歩分以上も通り過ぎてしまっていて、ぬいとふたり顔を見合わせると、気恥ずかしさを誤魔化すように揃って笑った。話題に夢中になりすぎるのはお互い悪い癖だ。

 踵を返すふたりから手を離して、ところでさ、と、玉緒が耳をぴくぴくと揺らす。その視線が居心地悪そうに泳ぐのに首をかしげれば、逡巡した後に彼女は言った。


「――――ニンゲンって、なに?」




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