第七話:昇華の理論とブラックホールの知性
第弐楽章 強くてニューゲーム「ブラックホールの救済」
(すみません不手際がありました。訂正いたします)
主題歌 動画配信中 https://www.youtube.com/watch?v=SfqQaXrT6Dc
(5次元学園都市の巨大な「知識の核」図書館。無数の光の粒子が飛び交い、知識そのものが形を成しているような空間)
ちえは、いずみには何も告げず、週末の時間をすべてこの図書館に費やしていた。 第6話の「愛の実験」は、ちえに満たされない渇望の残酷な真実を突きつけた。「搾取」は一時的な満足にしかならない。
ちえ: (私のこの飢えを満たすには、いずみちゃんの優しさを吸い尽くすだけじゃ足りない。私が全部、この世界の愛と知識を理解して、コントロールしないと……)
彼女の持つ「ブラックホール=吸収の女神」の資質は、感情的な飢えから、知的な飢えへとその焦点を変えていた。
ちえが探しているのは、**「コンダクター」が3次元で示したとされる「昇華の理論(Theory of Sublimation)」**に関する資料だった。
ちえ: 「デカルト、ブッダ、脳科学……これらの知識を重ねて、どうやって次元を上がる鍵にしたっていうの?」
ちえは光の粒子を泳ぐように進み、3次元の哲学のセクション、次いで宇宙物理学、そして**「多次元音楽理論」**のセクションへと手を伸ばした。
アストラル(妖精の声): 「ちえ様は本当に知的好奇心が高い。まるで知識を無限に吸収しようとするブラックホールみたい」 ガイア(妖精の声): 「いずみ様とは大違いね。いずみ様は体で愛を感じるけど、ちえ様は知識で愛を支配しようとしている」
彼女が手に取ったのは、コンダクターの理論を批判的に検証した古い多次元論文だった。
論文の記述:
*コンダクターが示した昇華の理論は、確かに「知識を合わせる(統合)」という概念を提示した。しかし、彼の理論は肝心な「昇華」の瞬間、すなわち、統合された知識が**次元を超越するための「音色」を生み出すプロセスが抜け落ちている。理論は「不完全な鍵」*である。
ちえの**『CFX』**が、論文のその部分に共鳴して、微かに振動した。
ちえ: (音色……? そうだ。いずみちゃんの**絶対音感**は、この「音色」を聴き分けられる力だ)
ちえは、いずみとは違い、「詩的絶対音感」をまだ持っていない。
ちえ: (私が本当にこの渇望を満たし、いずみちゃんの隣に立つには、あの理論の**欠けている「音色」の部分を見つけ出して、完成させなければいけない。知識を吸収**し、**昇華(昇華の女神)**させる……これが私の旅の道筋だ!)
ちえの瞳に、強い決意の光が宿った。それは、愛されたい渇望が、壮大な「知的な使命」へと形を変えた瞬間だった。
(第七話終)




