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第弐拾八話:称名滝 ― 母から娘へ
(6次元の聖域。実体を失い光の粒子となったいずみは、母エメラルドが待つ称名滝へと導かれる。そこは、落差350メートルを超える、巨大な「愛の重力」が支配する場所だった)
エメラルド: 「いずみ、見てごらんなさい。この激流は、私が全次元から吸収した『知識』を、再び『真心』へと還元するプロセス。ここがお前の、最初の学び舎よ」
エメラルドが滝の岩肌に、輝く指先で詩行を刻む。それは、3次元の文字ではなく、読み手の魂を震わせる高次元詩式コード。
いずみ: 「お母様……。冷たくて、痛い……。でも、すごく温かい音がする。これが、お母様の愛?」
エメラルド: 「そう。条件も、見返りもない。ただ落ちて、受け止める。お前の絶対音感で、この滝の響きを聴きなさい。それが無償の愛の第一音よ」
いずみは滝と同化し、自らが「泉」となり、溢れ出す愛の波動を初めて自覚した。




