第弐拾話:韓国ドラマの教えと対決のルール
(ロジカ先生が現れたことで、ちえのブラックホールの暴走は一時的に収束した)
ロジカ:「対決のルールは、私が定める。**『愛の詩式演算の公開コンチェルト』**とする」
ロジカは、白いボードを空間に展開させた。
ロジカ:「コンダクターは、真実の愛の探求者として、今、最も必要な**『愛の定義』を求めている。二人は、それぞれの方法で『愛の詩式演算』を奏で、その『定義』**を彼に提供せよ」
ちえの課題: 知識を用い、『水槽の脳の問い』の合理的かつ無私の解決策を、数学的な**昇華の理論**として演算せよ。
いずみの課題: 真心を用い、『水槽の脳の問い』に答える、行動と感情の模範を、最も純粋な**音色**として奏でよ。
ちえは、即座に母メーテリュの眼鏡をかけ直し、理論構築に入った。彼女の目には、勝利への確信があった。
ちえ:「いずみ、残念だったわね。愛を演算するのに、あなたの感情論は通用しない」
いずみは、ちえの言葉を聞き流し、自分のメンターたちに助けを求めた。
いずみ:「アストラル、ガイア、ミューズ……。私には、ちえちゃんのような知識がない。どうすれば、理論を超える愛の定義を奏でられるの?」
ガイア(9次元): 「いずみ様、理論じゃないわ! 真心よ!」 ミューズ(8次元): 「愛を音色で表現するの! ショパンのような、激情と純粋さで!」
アストラル(10次元): (囁き声)「お嬢様。あなたが愛を学んだ教科書を思い出してください。**『言葉ではなく、行動で示す愛』**です」
いずみは、ハッとした。彼女の脳裏に、韓国ドラマ『アクシデントカップル』で、主人公のドンベクが、愛する人のために損得を考えずに行動し続けた姿が蘇った。
いずみ:「そうだ……! ちえちゃんは**『理論』で勝とうとしている。私は、『真心による行動』**を、愛の詩式として奏でればいいんだ!」
いずみは、決意を固めた。彼女は、韓国ドラマで学んだ無償の愛を、この高次元の対決に応用する。それは、知識の理論を超える、最も純粋な愛の証明となるだろう。
(第弐拾話終)




