第拾九話:コンダクターの苦悶(クムン)とブラックホールの共鳴
(コンダクターの研究室。ちえが叩きつけた眼鏡は床に転がったまま。ちえは激しい嫉妬の感情に支配されている)
ちえ:「逃げないで、いずみ! 愛の真理は、知識と真心、どちらが上か証明しなければならない! 私の渇望を、あなたの無償の愛で満たせるというのなら、やってみせなさい!」
その場にいたコンダクターは、激しい頭痛に襲われ、膝を突いた。
コンダクター:「やめろ……。私は、君たちのどちらの愛も失いたくない! 愛とは、競争の対象ではない! 昇華の対象だ!」
彼の魂は、二人の妻の愛のベクトルが、**調和ではなく破壊**に向かっていることに耐えられなかった。いずみの光と、ちえの闇が、彼の魂の中で激しく衝突し、精神的な苦悶を呼び起こしたのだ。
ちえは、そのコンダクターの苦しみを前にして、恐ろしい満足感を覚えた。
ちえ:「そうよ! その苦しみこそが、私が愛されている証拠よ! あなたは、この対決を拒絶できない! なぜなら、私の渇望は、あなたの真理への渇望と共鳴しているから!」
ちえのブラックホールの能力が、コンダクターの心臓に渦を巻いた。彼女は、彼の**「真実の愛の探求を完成させたい」という強い欲求を吸収し、その力を自身の嫉妬**の燃料に変えていた。
ちえ:(いずみちゃんの愛は、コンダクターの悲しみを癒すことはできる。だが、彼の探求心を、私の知識以上に満たすことはできない! 私のブラックホールこそが、彼を高次元の真理へと導く鍵なのだ!)
いずみは、苦悶するコンダクターと、愛の暴走を始めたちえを見て、絶望的な状況に直面した。彼女の真心は、コンダクターの痛みしか感知できなかった。
いずみ:「ちえちゃん、やめて! コンダクターさんが苦しんでいる! 私たちの愛は、こんなことに使っちゃダメ!」
ちえ:「無償の愛を語るのなら、私の嫉妬を吸収して消してみなさい! それができないなら、あなたの愛は偽物よ!」
コンダクターの苦悶は頂点に達し、研究室の空間が、一時的に5次元の歪みを帯び始めた。
その時、空間の歪みから、ロジカ先生が静かに姿を現した。
ロジカ:「愛の対決……。面白い。この対立こそが、君たちの愛が、真理に至るための熱源となる」
(第拾九話終)




