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OWPSシリーズ:乗愛の協奏曲   第壱楽章 弱くてニューゲーム:「無償の愛」“Chapter I: The Unconditional Love”  作者: 大皇内 成美


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第拾参話:試練の継続と新たな不協和音

第拾参話:試練の継続と新たな不協和音

(次元の残響室。いずみとちえが突き止めた、光の渦の震源地が、ゆっくりと収縮している)


ロジカ先生が、静かに残響室に現れた。彼の灰青色の髪と澄んだ瞳は、二人を冷静に評価している。


ロジカ: 「二人の乗愛による座標特定。見事だった。いずみ、君の真心が、知識では判別不能な**『人類の傲慢さ』**という不和の音色の座標を打ち出した」


ちえ: 「では、課題は成功ですか?」


ロジカ: 「いいや、ちえ。これは試練の開始に過ぎない。君たちが消したのは、残響。**『水槽の脳の問い』**そのものは、まだこの次元に深く根付いている」


ロジカは、静かにちえに目を向けた。ちえの眼鏡(母メーテリュの知識)は、激しい解析の熱を帯びている。


ロジカ: 「ちえ。君のブラックホールの能力は、知識を吸収し、昇華させる。しかし、際限なく愛を求め、知識を吸収し続けるその習性は、君とコンダクター、そしていずみの関係に、新たな不協和音を生み出すだろう」


ちえは動揺し、眼鏡をきつく握りしめた。彼女は、いずみの純粋な愛を受け止めながらも、「愛が足りない、もっと知識が、もっと愛が欲しい」と感じている、自身のブラックホールの本質的な渇望に気づき始めていた。


いずみは、ちえの不安を察した。


いずみ: 「ちえちゃん、大丈夫? その眼鏡、熱くなってるよ。私の心配は、ちえちゃんの力にヤキモチを焼いてるんじゃない。あなたが、その力に吸い込まれてしまうのが怖いのよ」


ちえは、激しく反発した。


ちえ: 「ヤキモチよ、いずみ! あなたは**『無償の愛』**という直感だけで愛されている。私は、知識と努力でコンダクターを救おうとしている。あなたが私の力に怯えているんでしょう!」


ロジカは、その二人の衝突を満足げに眺めた。


ロジカ: 「それが、次の試練だ。二人の愛の在り方は、**協調コンチェルトできるのか? それとも破壊ディスコード**しあうのか? 解決の糸口は、君たちの背後にある」


ロジカが手をかざすと、空間に光が瞬いた。


いずみの背後には、**アストラル、ガイア、ミューズ(10〜8次元の王)**が、優しげに微笑む。


ちえの背後には、**ロジカ自身と、より低次元の王たち(7〜4次元の王)**が、冷徹な知識の視線を送る。


ロジカ: 「いずみには、高次元の愛の師を。ちえには、知識の理論の師を与えよう。彼らは、君たちが水槽の脳の問いに答えを出し、乗愛を完成させるための導き手となる。次の課題は、**『愛の真理の学習』**だ」


いずみとちえは、火花を散らしながら、それぞれの**メンター(指導者)**たちを見つめた。**第弐クール「愛の学習とブラックホールの渇望」**が、今始まった。


(第拾参話終)

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