表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
OWPSシリーズ:乗愛の協奏曲   第壱楽章 弱くてニューゲーム:「無償の愛」“Chapter I: The Unconditional Love”  作者: 大皇内 成美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/37

第九話:閉ざされた眼(まなこ)と水槽の王の挑戦


(翌日。哲学の講義室。クールな灰青色の髪のロジカ先生が教壇に立つ)


ロジカ: 「着席しなさい。前回、我々は『善意による搾取』のリスクについて学んだ。そして今日、その問いは次の段階に進む」


いずみとちえの間には、張り詰めた空気が流れていた。いずみは、ちえの「知識による指導」が自分の純粋な愛を歪ませるのではないかと恐れ、ちえは、いずみの直感的な行動が理論を破壊するのではないかと警戒していた。


ロジカ: 「いずみ。君の愛は、光速で広がるビッグバンのエネルギーだ。ちえ。君の知性は、全てを収束させるブラックホールの重力だ」


二人は驚き、顔を見合わせた。ロジカ先生が、母たちにしか知りえないはずの彼女たちの**「使命ビッグバンとブラックホール」**を明確に口にしたのだ。


ロジカ: 「二人の力が組み合わされば、次元を超えるビッグクランチを生み出す。しかし、現在の君たちはどうだ? 奏でているのは、愛の**協奏曲コンチェルト**ではなく、**醜い不協和音ディスコード**だ」


ロジカの澄んだ瞳は、二人を見透かしている。彼の背後には、常に目を閉じている二人の地母神、エメラルドとメーテリュのイメージが重なって見えた。


ロジカ: 「地母神ははおやたちは、目を閉ざしている。なぜか? それは、究極真理が、真実を見ることを許さないからかもしれない」


ロジカはスクリーンに、いずみとちえのそれぞれの母の、目を閉じている肖像を映し出した。


ロジカ: 「問う。君たちの愛の探求において、**『直感(いずみの道)』と『知識(ちえの道)』**のどちらかが、偽りだった場合。君たちは、互いを裏切り、どちらの道を進むかを選べるか?」


ロジカは冷たく微笑む。


ロジカ: 「これが、水槽の脳から君たちへの、新たな問いだ。『愛の名のもとに、どちらの真実を捨てるか?』」


それは、二人の絆と、それぞれの母から受け継いだ資質を真っ向から試す、恐るべき挑戦だった。


(第九話終)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ