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付き合っていない清楚系美少女がなぜか俺にだけ甘えてくる  作者: 柊なのは
7章 変わるきっかけ
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寂しくなったときはそれが私だと思ってください……なんて

 予想していた通り、イルミネーションが観られる駅前は人が多かった。手を繋ぎ人混みの中を歩く。


 あまり外に出るタイプじゃない瑞季にはこういう人が多いところはあまり好きではないだろう。


「瑞季、大丈夫か?」


「だ、大丈夫かと言われたら大丈夫ではありません。少し休憩したいです」


「わかった」


 自販機で水を買い、駅前から少し離れた場所のベンチに瑞季を座らせた。


「はい、どうぞ」


「ありがとうございます」


 彼女は、俺が手渡した水のペットボトルを飲み、少し休憩する。


「やっぱ人多いな……。行けそうか? 無理なら全然無理って言っていいんだぞ」 


「大丈夫です。碧くんと見に行きたいですから」


「わかった」


 例え無茶していても本人がそういうならそれを叶えてやりたい。


 少し休憩した後、イルミネーションをやっている場所まで移動した。


「綺麗ですね」


「そうだな……」


 小さい頃、一度この駅前のイルミネーションを見たことがある。その時は、確か、母さんと父さんと来たな……。


 いい雰囲気にこの場で渡すのがいい気がして俺は、カバンから彼女へのプレゼントを取り出した。


「瑞季、メリークリスマス」


「あ、ありがとうございます」


 瑞季は、受け取ったものを開けると可愛いと小さく呟く。


 瑞季に渡したのは猫のネックレスだった。彼女が猫が好きなものは知っていたのでこれを店で見つけた時はこれだ!と思った。


「実は私も碧くんへのプレゼントがあるのですが、28日渡してもいいですか?」


「いいよ。楽しみにしてる」


 3日後は、瑞季の誕生日。香奈の家で誕生日会をやる予定だ。


「あの、ネックレスつけてもらってもいいですか?」


「わかった。後ろ向いてくれる」


「はい」


 後ろを向いてもらい彼女に渡したネックレスをつけてあげた。


「どうですか?」


 後ろを振り返り、似合っているかどうか彼女は俺に尋ねる。


「可愛いし、似合ってる」


 そう言うと瑞季は、嬉しそうにネックレスを見つめて小さく笑った。


「あっ、雪だ……」


「ホワイトクリスマスですね。碧くん、最後に写真を撮りません?」


「あぁ、そうだな……」


 思い出を残すためにも俺と瑞季は、写真を撮った。帰り道、その日はとても寒くお互い手袋を持っていなかったので瑞季を家に送るまで俺は、彼女の手を握っていた。






***





「ハッピーバースデー! みっちゃん!」

「おめでとう、瑞季さん」

「瑞季、おめでとう」


 12月28日。予定通り、香奈の家で誕生日会が行われていた。


「ありがとうございます」


「はい、プレゼント。碧に勝てるプレゼントだよ」


 そう言って香奈は、瑞季にプレゼントが入った袋を渡す。


 てか、いつからプレゼント勝負をすることになったんだよ。


「私からのプレゼントはコスメだよ。みっちゃんは、十分可愛いけどやっぱ女の子はオシャレしなきゃね」


「香奈さん、ありがとうございます。使わせていただきますね」


 コスメか……それもありだったかもしれない。けど、俺が選んだら使いにくいものを与えそうだな。コスメ詳しくないし。


「俺からは、フルーツフィナンシェ。苦手だったかな?」


「いえ、フィナンシェ好きですよ。晃太くん、ありがとうございます」


 お菓子系……一度は考えたが、瑞季が何が好きで何が苦手なのかわかっていなかったのだ断念した。


 コスメでもないお菓子でもない。なら、俺は、何を選んだかというと……。




─────2週間前。




「私がですか?」


 休日、彼女の家に行くと1位を取ったご褒美ということで手作り料理を瑞季が作ってくれた。


「うん、ほしいものあるか?」

 

 誕生日にあげるものを考えている俺は、彼女にほしいものはないかと尋ねた。


「ほしいものがなくてもやってほしいこととかでもいいけど……」


「そうですね。碧くんと家でまったり過ごすことですかね」


「他には?」


「他……欲しいものならハンドクリームがほしいですね。買いに行こうと思っているのですが、中々買いに行けてなくて」


「そうか……」


 この時期は乾燥しやすいからハンドクリームをよく使うのでいいかもしれない。


「あの、もしかして誕生日プレゼントですか?」


「えっと……ち、違うけど?」


 隠すのが下手すぎて瑞季からじとっーとした目で見られた。


「去年、同じようなやり取りをした気がしますが、気のせいですか……」


「う、うん、気のせいだって。ちょっと聞いてみただけだから」


「そうですか。私は、誕生日プレゼントなんて要りませんよ。碧くんといられる……それだけで十分ですから」


 幸せそうな顔で笑う彼女だが、喜ぶ顔がみたいと思い、瑞季の手料理を食べた後は、誕生日プレゼントを買いに行った。




「俺からは、ハンドクリームと……後、テディベアだ」


 瑞季にその2つを渡すと香奈が「荷物が多そうだったのはそのくまだったのか」と小さく呟いていた。


「くまさん……」


 瑞季は、そう呟いてテディベアを見つめる。


(あれ、もしかしてプレゼントミスったか?)


「ごめん、こんな子供っぽいのやっぱ瑞季には」


「そ、そんなことありません! とても嬉しいです、ありがとうございます。あの、この前言っていたクリスマスプレゼント、今渡してもいいですか?」


「う、うん……」


 瑞季は、テディベアを抱き締めならが2階へ上がっていく。


「置いていってもいいのに抱き締めちゃってみっちゃん相当嬉しいんだろうね。良かったね、碧」

 

「あぁ、良かった……」


 瑞季が戻ってくるまで香奈と晃太と話していると暫くして瑞季が戻ってきた。


「あ、碧くんがこんなのもらっても嬉しくないかもしれませんが、どうぞ」


 瑞季は、そう言って俺にクリスマスプレゼントを渡した。


「おぉ、まさかのみっちゃんもテディベアだ。2人とも仲良しだねぇ~」


 香奈が言った通り、瑞季からもらったものはテディベアだった。


 彼女と同じものを買って交換しようなんて打ち合わせはしてない。偶然同じものを買ってしまったのだ。


「ありがとう、嬉しい」


 買った場所は違うが、同じ色のテディベア。彼女とお揃いで俺は、嬉しかった。


「さてさて、続いてはお昼だぁ~!」


 香奈は、買ってきたピザの箱を開けて取り皿を用意し始める。


「瑞季、俺もこのテディベア大切にする」


「はい。寂しくなったときはそれが私だと思ってください……なんて……」


「わかった。瑞季の変わりだと思って部屋に置いておくよ」


「あ、あの、さっきのは冗談でして……けど、碧くんがそうしたいなら……」


 そう言って瑞季は、テディベアをぎゅっと抱きしめた。

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