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付き合っていない清楚系美少女がなぜか俺にだけ甘えてくる  作者: 柊なのは
7章 変わるきっかけ
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試験の結果

「碧……くん?」


 目をゆっくりと開け、瑞季は、ぼんやりと俺を見つめる。


「おはよ。よく寝れた?」


「す、すみません! 寝るつもりはなくて」


 瑞季は、バッと俺から離れ、謝った。


「いや、大丈夫だよ。気持ち良さそうに寝てる間、触って堪能してたから」


「さ、触って……堪能……。ね、寝てる間に何したんですか!?」


 瑞季は、顔を赤くして自分の服を1番に見た。だが、俺は、頭を撫でることと頬を触っていただけだから特に変わりはないはずだ。


「何か誤解してないか? 俺は、瑞季の頬と頭しか触ってないけど」


「かっ、からかいましたね!?」


 怒った瑞季は、ムスッとした顔でポカポカと腕を叩いてくる。


「ごめんごめん。もしかして何かしてほしかった?」


「……そ、そうですね。碧くんになら別に何されても構いま───くっ、くすぐったいです!」


 何されてもいいと言ったので人差し指で脇腹を触ると彼女は、変な声を出し、俺の手を取った。


「男に何されてもいいと簡単に言ったらダメだぞ。今ここで俺に襲われてもいいなら別に構わないが……」


「……さ、さっきの言葉は取り消してください」


 下の階に明人さんがいることもあり、瑞季は、俺にそう言う。


「わかった、聞かなかったことにする」


 明人さんに挨拶した後、瑞季の家を出た。徹夜で勉強してもいいと思ったが、それで明日影響するのも嫌だなと思い今日は早く寝ることにした。


 明日から5日間。頑張ろう……。







***







「えっ、誰? 鴻上って」

「鴻上くんって確かあの露崎さんと付き合ってる人でしょ?」


 掲示板に成績が貼られており、その場はざわついていた。いつもなら1位のところに露崎瑞季という名前があるが、今回は違う。


「1位、おめでとうございます」


「ありがと……こんなに頑張ったの中学以来だわ。瑞季も頑張ったな」


「私はいつも通りです。2位は、少し悔しいですが、今回碧くんは、私より頑張ってましたし、この結果には納得です」


 掲示板を一緒に見ていると周りから視線を感じた。やはりずっと瑞季が1位でいたのに急に鴻上という名前が上がってきたからだろうか。


 瑞季とその場を離れると優愛がやっほ~と声をかけてきた。


「碧、1位おめでとう! これは何かパーティーしなきゃね」


「いや、いいよ。祝うもんじゃないし」


「ダメです! 祝いましょう!」


 そう言ったのは瑞季だった。わかったと答えると瑞季と優愛が場所、時間と祝う時間を決め始めた。


「じゃ、今日の放課後はカラオケ集合ね」


 優愛は、そう言ってヒラヒラと手を振って帰っていく。


「香奈さんと晃太くんも誘いましょう。カラオケでお祝いです」


「まぁ、頑張ったし思いっきり遊ぼうかな」


 縛られた感じがなくなり解放された感じがしていた。


 放課後、5人でカラオケで楽しんだ後、家に帰える途中、瑞季の父親である明人さんに出会った。


「お帰り。もしかして瑞季を家まで送ってくれたのかな?」


「はい。同級生とカラオケに行ってました」


「そうか、瑞季も変わったよ。前までは友達と遊ぶことがあまりなかったからね。変われたのは多分、それは君のおかげだ」


 確かに瑞季は、1年の時の彼女とは違うのは隣にいて気付いている。変われたのは俺なのかわからないけど俺は、瑞季自身が変わろうとしていたから変われたんだと思う。


「俺は、何もしてませんよ。彼女が変わりたいって思ったから変われたんだと思います」


 俺も瑞季のおかげで変われたところはある。けど、結局は自分が行動して変わった。


 となると俺と瑞季は、お互い変われるきっかけを与えたんだと思う。


「そうかもしれないね。けど、お礼を言うよ。ありがとう。これからも娘を頼むよ」


「はい、頼まれました」








***








 12月24日。俺の家で今年は6人でクリスマスパーティーをすることになった。メンバーは、去年と同じメンバー+陸斗と支倉さんだ。


「メリークリスマス! ほらほら、みんな食べよっ」


 香奈は、そう言っていろんな店で買ってきた食べ物をテーブルに広げる。


「皆さん、これ、良ければ食べてください」


 そう言って瑞季は、可愛く飾り付けされている蒸しパンをテーブルに置く。


「うわっ、凄い! もしかしてみっちゃんの手作り?」


「はい、始めて作りました。碧くんも苦手じゃなければ食べてみてください」


「うん、いただくよ」


 小さな丸い形をした蒸しパンの上には生クリームと苺が乗っていて見た目からして美味しそうだった。


「うまっ、瑞季、これ美味しいぞ」


「本当ですか? お口に合って良かったです」


「瑞季、スイーツ作り得意なの?」


 蒸しパンを食べた支倉さんは、瑞季にそう尋ねる。


「得意なのかはわかりませんが、スイーツ作りは好きです」


「へぇ~知らなかった。今度、この蒸しパンの作り方教えてほしいな」


「えぇ、いいですよ」


 食べた後は、ゲームをしたりプレゼント交換をしたりとクリスマスパーティーを満喫した。


 皆が帰った中、瑞季は家に残っていた。もうそろそろお父さんが、帰ってくると伝えたら瑞季が「では、碧くんのお父様が帰ってくるまで待ちますね」と言った。どうやら挨拶したいらしい。


 玄関から扉の音がしてソファに座っていたが、立ち上がり、俺と瑞季は玄関へ向かう。


「父さん、お帰り。こちら彼女の露崎瑞季さん」


 そう紹介すると瑞季は、軽く頭を下げた。


「初めまして碧くんとお付き合いさせていただいてもらってる露崎瑞季です」


 日頃礼儀正しい振る舞いをしているため父さんの前でもきちんとした振る舞いをしていた。


「初めまして、碧の父の鴻上達也です。碧、露崎さんとお付き合いは認めるが、恋愛ばかりにかまけてはならんからな」


 父親には3日前に成績表を見せ、これからは自由にやりたいことをやってもいいと言われた。ただしお母さんが止めるようなダメなことは止めると。


「わかってる……」  


 やりたいことをやらせてくれない、友達と遊ぶことさえ許してくれなかったが、もうそんな縛りはない。


(もう、好きなことを我慢しなくていいんだ……)

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