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一話 前書き

コメントよろしくお願いします!

「好きです!付き合ってください」

 そういわれたある秋の日、僕の青春は始まった。



 僕、こと西条相馬さいじょうそうまはラノベ、アニメなどが好きないわゆるヲタクである。ぼくは「ボッチ」らしい。この原因はぼくではない。周りの人間のノリが悪いのだ。だぶん。こんなことを考えていると精神が疲弊してしまう。



 そんな僕が最近気になっている人がいる。クラスのマドンナこと佐藤雪さとうゆきだ。彼女はほかの人とは違い僕を普通の人として扱ってくれる。そこに惚れたらしい。我ながら無謀である



 そんな時だった。僕の学校の言い伝えである奪心物語(この学校に伝わる、ある巫女に奪われた自分の心臓を取り返すが、その途中で恋に落ちてしまうという物語)が伝わる文化祭の最後、僕は 校舎裏に呼び出された。いたずらだとはわかっていたが、興味本位で行った。



 しかし、いたのだ! 

 佐藤雪がーー


「ほんとに来てくれた!!」

「さ、佐藤さん?」


 彼女赤い髪が風に揺られふわりとたなびいた。そして、彼女のシャンプーの匂いがかすかに、しかしはっきりと鼻腔を刺激した。


 彼女は、恥ずかしいからかずっと顔を合わせようとはしなかった



「き、急に呼び出しちゃってごめんね?」

「大丈夫、、どうしたの?」

「実はね…」

(普通の人はここで告白されると考え、撃沈するのだろう)


 ラノベ好きゆえの発想である。いわゆるテンプレなのだ。期待をしてはいけない。


ーーーーーーーーーーーーーーーー



「好きです!付き合ってください」



 皆さんお気づきのように、これが冒頭の文である



(はぁぁぁぁぁぁ!?)

「え!?僕と?」

「うん!」

(予想していた展開と違いすぎる!?こんな俺が、佐藤さんと!?これは夢か!?)


 彼女に気付かれないように自分のほおをつねった


(痛い!夢じゃない!じゃあ返事は一つしかない!!)


「僕なんかでよかったなら」

「ありがと!!」


 もちろん「Yes」である。この展開で断る人はいないだろう。


「は?」


 急に聞こえた重低音に体をこわばらせてしまった。彼女の顔を見ると眉間にしわが寄っていた。


(ど、どーゆーこと?)


「お前だれ?」


 彼女の鋭い眼光が僕のことを突き刺した。


「え?」

「は?倉沢くんは?」


 僕は状況が理解できなかった。でも僕は本能的にいつも優しい彼女の本心を表すような目線を拒絶した。


「このことは誰にも言うなよ」

「ちょっと待って!」


 彼女は僕の言葉なんか無視してそそくさとその場を後にした。


(このこと……彼女の本心のことだろうか、それとも告白のことだろうか)


 僕は「言ったら殺す!」と言いたげな目線に耐え切れず考えても無駄なことを考えていた。そして立ち尽くしながら一時間ほど現実逃避をしていた。


「はは、空がきれいだ」


 そのあと僕は何も考えず家に帰った。考えたら胃が痛くなってしまうから考えないようにしたのだ。

どーでした!?

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