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TS考

 まずは主だった語の長期推移から。

挿絵(By みてみん)

 時期的な特徴がはっきり出ているのは、「女性化」と「女体化」の2語。前者は10年代に入ると利用が縮小、後者は10年代に入って急に使用が増大していることが読み取れる。

 以下、それぞれの単語に関して見ていきたい。





1-1.女性化

 端的に言えば古語。Arcadia捜索掲示板での使用量を見ると、明らかに00年代も前半期の古い原作に偏って使用されている。

挿絵(By みてみん)

 中でもナデシコ二次での使用が、群を抜いて高いという点は特筆すべきものだろう。

 その後00年代後半期の原作ではその利用も激減しており、「TS」という語に飲まれたものと思われる。



1-2.TS

 男性向けweb小説の場において最も一般的な表現、と言ってしまっていいだろう。

 Arcadiaにしろにじファンにしろ、大半の作品はこの表現を用いていた。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

 基本的にはハーメルンもその流れにあり、タイトルやあらすじで用いられることが多い。



1-3.TSF

 純粋な使用「量」としては微妙な語。

 上の「TS」が「原作キャラTS」だとか「TS転生」といった、二次創作上のオプション的な形で、緩くしかし広く普及したのに対して、専門的にそれを求めるディープな集団とでも言うべきだろうか。



1-4.性転換

 00年代では使用量が大きかったものの、近年では縮小傾向といったところか。

 小説家になろう内でこの語の使用が多いのは、2007年04月~2009年09月では「カテゴリ」、2009年09月~2016年05月では「指定キーワード」として、公式で設定していた単語であったことによるものだろう。

 ハーメルンでの必須タグ化に関しては、2017年05月頃の作る人Twitter参照。



1-5.女体化

 10年代に入り急激に利用が増加した。端的に言えば女性向けジャンルで使用される語。

挿絵(By みてみん)

 ただ男性向けジャンルであっても、イラスト・漫画で使用される場合はそれなりにあり、近年的傾向として境界が揺らいでいるようには思う。





 以下ではハーメルンへの連続性を探るのを目的として、それ以前のサイトに関しても軽く見ていく。


2-1.Arcadia

 まず原作別。

挿絵(By みてみん)

 Muv-Luvが無いことを除けば、概ね2008年後半期以降の流行原作に準じると言えようか。ただ「HxH」に限っては投稿規模に反して極端にTS率が高く、ハーメルンでもその傾向が続いている。

 当時の男性向けweb小説界隈を統合するような形で大規模化。原作キャラへの「TS憑依」や、オリ主の「TS転生」という形態の二次創作が、急激に膨張していく起点となったサイトと言えよう。

 以下主だった作品を載せておく。

挿絵(By みてみん)



2-2.にじファン

 まず原作別。

挿絵(By みてみん)

 残念ながら総合評価上位でのTS作品はかなり少なく、四半期を対象に600作かき集めると概ねこんな感じ。

 TSオリ主では「ネギま」に「恋姫」、前者は舞台が女子校で後者は女性が強い世界と、必要性に応じる形でTSが行われた傾向があると言えようか。

 キャラTSを通じて原作主人公のハーレム形成阻害、場合によってはヒロイン化という作風も見られた。



2-3.ハーメルン

 ハーメルン内での簡単な傾向まとめ。

挿絵(By みてみん)

 上でも見たがジャンプ系原作などはやたらとTS率が高い。根本的に原作での女性キャラの比率が低い点もあり、何らかの役割を持たせやすいのだろう。

 原作:Fate以外で、検索結果としての「Fate」が多いことに関しては、「ガワだけ○○なオリ主」という形態が多いことによるものかと思われる。これは数的に多方面への影響が大きい。

 それ以外だと「ネギま」「ウマ娘」「IS」「恋姫」なんかは、オリ主を女性とすべき何らかの理由が存在する、というパターンだろう。

にじファンでも最も高ポイントだったTS作品は、ネギま二次「ロリ大魔王様の日常」であり、その主人公を流用した関連作品として、オリジナル「ガチモロリ大魔王様戦記」と恋姫二次「大魔王様系愛玩動物物語」が存在。

次いで原作キャラTSとしては「Fate/Zero -Irregular shuffle-」が挙げられる。


ハーメルン移転組では、ネギま二次「漢を目指して」に、ワンピ二次「絶対正義は鴉のマークと共に」が、最も高ポイント作品となるか。

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