89.アリソンとカーリー
89.
アリソンとカーリー
フルプレートのジョニーが、Bランクハンターだったころ、アリソンとカーリーとパーティーを組んでいたようだ。
こんな話を聞いていたら、もう最終章なのに、話が長引くじゃないか!
59話から、最終章に入っているのに!?
実は、Sランクのハンターのジョニーは、万年Bランクだったようだ。
詰めが甘いパーティーだったようで、良い線は行くが、合格点寸前で何かミスをするようだった。
それでも、ジョニーは諦めずにハンターを続けて行くつもりだった。
Aランクになれば、報酬の高い依頼を受けることが出来るし、今でもBランクという、そこそこの地位にある。
だが、アリソンとカーリーは、こう思っていた。
「ジョニーがドンくさいから、オレたち、万年Bランクじゃねぇのか?」と。
そんな二人は、ジョニーとのパーティーは辞めると言い出したのだ。
「オレたち、他のパーティーでやりたいんだ」
「あぁ、ジョニーにはすまないが、別のハンターを見つけてくれ」
というと、二人はパーティーを解消してしまい、ジョニーの元を去ってしまったのだ。
パーティーを組むと言っても、仕事を依頼する際に、「このメンバーで行く」と申告すれば、パーティーということになる。
しかし、いつも組んでいる場合は、パーティー登録も出来るようだ。
ギルドとしては、看板になってくれたりすると、鼻も高く便利だ。
ハンターは、登録が個人から団体になるので、登録料などが団体割引になるというメリットがあるようだ。
その後の三人は、ジョニーは一人で依頼を達しし続けていた。
時折、助っ人でパーティーを組んだようだが、ほぼ一人の実力でSランクになったということは、アリソンとカーリーがいなければ、Sランクの実力があるということで、ハンターたちはジョニーに同情したようだな。
アリソンとカーリーは、別のパーティーに、さっさと加入したようだが、ここでも、しばらくして辞めて、他のパーティーに移ったが、やがて二人のうわさは聞かなくなった。
そして、今、魔人の手下になっていた。
「正義の味方としては、ジョニーを応援したいところだな」
「ああ、でも苦戦はするじゃろう」
「でも、ジョニーが勝つんじゃない?」
「二対一でも大丈夫かな?」
「うぅん、そこだな」
アリソンとカーリーは、コマンダーだから有利なのでなく、ジョニーの闘い方を知っているから有利なのだ。
しかし、それは、ジョニーも同じだ。
技を知っているというより、「このような時、どう判断するか」という考え方を知っているというのが厄介だろう。
それでも、二対一の闘いを始めるようだな。
次回の空手家は、二対一の闘いです。




